自己管理で管理コストが削減できる
管理しないで成果など出せるのか? と思われるかもしれませんが、むしろ管理をなくしたことで、よりコストパフォーマンスの高い成果を出せるようになりました。
そもそも、管理の仕事は直接的な成果には繋がらず、あくまで成果を出すための手段です。もし、各自が管理されなくても成果を出せるようになれば、管理にかけていたコストを削減できます。管理職がいなくなれば、その分の人件費もかかりません。
また、現代の仕事はクリエイティビティが多く求められます。ライティング、デザイン、コンサルティング、新規事業企画、マーケティング、プログラミング、プロモーションやPR、どれもクリエイティブな仕事です。私の定義では「再現性の少ない仕事」のことをクリエイティブな仕事としています。
そんなクリエイティブな仕事の特徴は、高い生産性を発揮するように指示命令することは難しく、飴と鞭を使った管理があまり有効でないということです。むしろ性悪説で管理することは生産性を阻害しかねないのです。もっとも影響を与えるのは自分自身で取り組みたいと思う内発的動機付けです。
クリエイティブな生産性を高める3つのポイント
そこで管理をゼロにして、かつクリエイティブな仕事の生産性を高めるためのポイントを3つ紹介します。
まず1つは「セルフマネジメント」。管理して働かせる人がいない代わりに、自分で自分のことをマネジメントするのです。マネジメントとは、もともと管理することではなく、成果をあげることが目的。つまり、自分自身に成果をあげさせるのです。
2つ目は「提案脳」です。お客様や上司といった仕事の依頼をしてくる人がいる、全面的に依頼者の言うままに仕事をしている――これは「受託脳」です。依頼者の、さらにその先を見据えて提案できれば、価値は高まります。
そして3つ目が「ザッソウ」。報告・連絡・相談のホウレンソウは当然ながら、クリエイティブな仕事においては、なにげない雑談や気軽な相談から新しいアイデアが生まれたりするものです。雑談と相談を合わせた「ザッソウ」をしましょう。
短い時間でも大きな成果を出せるチームが備えているのは、生産性と自律性と独創性。拙著『管理ゼロで成果はあがる』(技術評論社)では、それらをステップに分けて、具体的な取り組みについて説明しています。
1 2