週休3日制導入がもたらす多大なるメリットと、それ以前の課題

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週休3日制以前の問題

 週休3日制にはメリットばかりでなく、デメリットもあることがわかる。だがそのほとんどは業務効率の改善やチームワークを強化する体制づくりの動機づけとなることばかりなので、メリットに変えることができるだろう。

 ところが、週休3日制を検討する以前に見直す課題があることを忘れてはならない。まず、そもそも休める体制や雰囲気があるかどうかだ。週休3日制を導入する以前に、従業員が有給休暇も取りにくい職場であれば、まずはそのことから改善する必要がある。

 また、繁忙期がある業界では、繁忙期を乗り切るための対策を練っておかなければ、週休3日制の導入は難しい。

 先に紹介したニュージーランドのパペチュアル・ガーディアン社から見習うべきは、週休3日制を導入するにあたって、その1カ月前から現場の各チームに課題の洗い出しと解決策を講じるための権限を与えたことだ。

 これにより各従業員は週休3日制で起こりえる課題を自主的に解決し、実施後に問題が発生しても不平不満を持つのではなく、チームとして解決できるのだという自覚を持つようになった。その結果、生産性の向上に成功している。勤務日数(時間)を減らしても給与を下げなかったことも、従業員のモチベーションを高く維持できた理由だろう。

 日本では「働き方改革」の時流に乗り、安易に週休3日制を導入してしまう可能性もある。いざ導入してみたら、業務負担が増えていたり給与が減っていたりして、かえって生産性が下がり、週休3日制の導入に失敗した例が増えるかもしれない。

 そうならないためにも、週休3日制を導入する際は、事前の準備が重要だ。

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