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大卒就職率98.0%…異様な数字の背景は? 就職に強い学部、弱い学部

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「Getty Images」より

 98.0%。これは昨年の大学(学部)卒業生の就職率です。この数字を異様に高いと思ったことはありませんか。政府はこれを「アベノミクス効果」と謳っていますが、果たしてあなたの身の回りの大学生は、そこまで漏れなく就職できているのでしょうか。

 今回はこの「就職率」というデータのカラクリについて解説していきます。また「理系は就職に強く、文系の就職は厳しい」というイメージが本当にそうなのかについてもデータで示し、「就職に強い学部、弱い学部」についても紹介していきます。

 2月1日時点における2019年春卒業予定の大学生の就職内定率が91.9%だったことが、厚生労働省、文部科学省から発表された「就職状況調査」によって判明しました。これで8年連続の上昇で、この時期のデータがある2000年以降で過去最高の値だそうです。4月1日時点での大学学部卒業者の就職率は5月中旬に発表されますが、こちらも過去最高を記録することが予想されます。

 資料出所 厚生労働省、文部科学省「大学等卒業者の就職状況調査(4月1日現在)」

実態とかけ離れた就職率

 さて、この「91.9%」の分母がなんであるかご存じですか。「分母は卒業生全体で、そのうちの91.9%」と思っていませんか。実は就職率を算出する際の分母は卒業生全体ではないのです。

 「文部科学省における大学等卒業者の『就職率』の取扱いについて」によりますと、

1. 「就職率」については、就職希望者に占める就職者の割合をいい、調査時点における就職者数を就職希望者で除したものとする。

2. 「就職率」における「就職者」とは、正規の職員(1年以上の非正規の職員として就職した者を含む)として最終的に就職した者(企業等から採用通知などが出された者)をいう。

3. 「就職率」における「就職希望者」とは、卒業年度中に就職活動を行い、大学等卒業後速やかに就職することを希望する者をいい、卒業後の進路として「進学」「自営業」「家事手伝い」「留年」「資格取得」などを希望する者は含まない。

  とあります。つまり分母は卒業生全体ではなく、大学の就職課が卒業生を対象に調査した「大学卒業後、速やかに就職することを希望する」学生の数ということになります。また、大学によっては「公務員」「教員」を希望するものの採用試験に合格しなかった学生を「資格取得」希望の学生とみなし分母から外すという例もあります。その分母の中で、実際に民間企業に就職した学生の数の割合が「就職率」として発表されるのです。なので少しブラックな話をすると、どう見ても就職に向いてない学生が卒業時にアンケートを提出する際「就職希望と書かないでくれ」と懇願する職員がいるとかいないとか。

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