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さあ、働き方改革だ! メタボ会議をやってる場合じゃないぞ!

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「Getty Images」より

自社の働き方、会議のやり方は大丈夫か?

 新元号「令和」の発表と共に、新年度がお祭りムードで始まった。そのお祭り騒ぎで目立たなかったが、新元号発表と同じ4月1日から、働き方改革法案の一部適用が始まった(大企業と中小企業で適用開始時期が異なる)。とりわけ注意が必要なのは「働く時間の上限」だ。決められた残業時間上限を超えると罰則が課されることになる。

 人手不足のなか、「短い時間」で「効率的に」仕事をこなさなければならない。当然、仕事の進め方の見直しが求められる。見直すべきは、頻度が多く、時間が割かれる仕事。

 そう「会議」だ。

 今回は、現場のビジネスシーンで不可欠な「会議」に焦点を当ててみる。

 ビジネスパーソンに必要不可欠な「会議」。新社会人はもちろんのこと、経験豊富なベテラン中高年もこの問いかけをしてみてほしい。

「これまで会議の進め方を習ったことがあるだろうか?」

 筆者はこれまで3万人を超えるビジネスパーソンにビジネススキルを教えているが、この問いに「イエス」と答えられるビジネスパーソンはほぼ皆無だ。

(画:和田ラヂヲ/横田伊佐男著『ムダゼロ会議術』日経BP社 より)

 日常生活に必要不可欠な「読み書き(国語)」と「そろばん(算数)」は小学校時分から体系的に学ぶ機会があるのに、ビジネスシーンで必要不可欠な「会議」を学ぶ機会はない。このため「会議」にはムダが多く、以下の“4大悩み”が解決されないままだ。

[会議にはびこる4大悩み]

・時間が長い
・中身が薄い
・何も決まらない
・発言がない

 「働き方改革」の浸透に伴い、「効率性」「生産性」がクローズアップされるなかで、「会議」の問題が浮き彫りになってきている。

 これだけ毎日時間を割かれる「会議」にムダが多く、4大悩みが尽きない理由は極めてシンプル。

 体系的に「会議」のやり方を習ったことがないのだ。

 そこで、「会議」自体を「会議前」「会議中」「会議後」と3つに区分して、その対策を紹介していきたい。

 まずは「会議前」の対策を紹介しよう。

違う!会議の問題はそこじゃない!

 会議は、以下の3つに区分される。

・「会議前」
・「会議中」←問題の場所
・「会議後」

 そして、うまくいかない「会議」の問題発生箇所は、真ん中の「会議中」だ。

 しかしながら、その問題要因の根っこは、そこじゃない。根本的な問題を解決するならば、むしろ重要なのは「会議前」だ。「会議」に入る前の「会議前」、つまり「準備」が極めて重要になるのである。「会議中」の進行スキルを習ったことがなければ、「会議前」の準備体操の手順など習うはずもない。

 では、「会議前の準備として何をすべきか」についての2つの対策を紹介しよう。

 1つ目の対策は、「会議を仕分ける」だ。

 「会議」はその目的別に大きく3つに分かれ、それぞれに内容、人選、進行方法、が異なる。

(横田伊佐男著『ムダゼロ会議術』日経BP社 より)

 このうちビジネスパーソンが最も「ムダ」と感じ、また機会が最も多いのが「共有会議」だ。

 この「共有会議」、実は顔を合わせて行う必然性が薄い。メールでの事前連絡、もしくは遠隔地からスマホなどで閲覧すれば、膝を突き合わせて時間を共有する必要がないからだ。

 したがって、「やらなくていい会議」と「やったほうがいい会議」に区分するためには、会議の種類別に仕分けていこう。たとえばこうだ。

(横田伊佐男著『ムダゼロ会議術』日経BP社 より)

 ムダと感じた「共有」会議のほとんどは、メール代替で可能である。それを会議から外すだけで時間は削減され、会議そのものが不要にもなる。

 現場では、短い時間で効率を迫られている。言い換えれば、何かのムダ仕事を大胆にカットする必要がある。誤解を恐れず言えば、「共有会議」はカットできる。残業上限を越えて罰則を受けるくらいなら、省略したほうが健全だ。

 一方、わざわざ顔を合わせる「会議」を「決定会議」と「拡大会議」に集中するだけで、グンと密度が濃くなる。

その議題、「?」がついているだろうか?

 2つ目の対策は、議題に「?」をつけよ、だ。

 そもそも「会議」は1人でやるより、複数人数でやるものだ。それはなぜか? 1人でやるより、複数で行った方が最適な答えが出るためである。

 そう、「会議」は制限時間内に参加した複数メンバーと「答え」を出すことがゴールになる。その「答え」の「問い」に相当するのが、「議題」だ。「議題」は「問い」でなければならない。「問い」であるからには「疑問文」でなければならない。

「疑問文」であるならば、末尾に「?」がついてなければならない。

「問い」のない議題に意味はない

 「議題」=「問い」=「〜なのか?」

 この論理から、現場の会議議題をチェックしていただきたい。その「議題」に「?」はついているだろうか?

(画:和田ラヂヲ/横田伊佐男著『ムダゼロ会議術』日経BP社 より)

 とりわけ注意したいのが、「〜について」という議題だ。これは「問い」になっていない。「問い」になっていないので、「答え」が出ない。「答え」が出ない議題だと、感想や体験談が述べられ、特に声の大きい人の昔話で終わることが多く、徒労感が大きい。

 たとえば下図が「〜について」の例と「問い」にした場合の改善例だ。

 上図の左右を比較し、実際の会議を想像してみてほしい。「〜ついて」の左欄より、「問い」に改善した右欄のほうが、話すべき内容が明確で、議論が締まりそうな感じがしないだろうか。

 会議は思いのほか、「議題」に縛られる。ゆるく、ぬるい「議題」で出発すれば、なかなか引き返せない。「短く濃い会議」にするために、「議題」を「問い」にすることが肝心だ。

 今回は、「会議前」にフォーカスしたが、次回は「会議中」の対策を紹介していく。

(本記事は、横田伊佐男著『ムダゼロ会議術』日経BP社の一部を転用しています)

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