
「Getty Images」より
株式会社ゼネラルリンクは4月11日、出産経験のある女性1107人を対象に「マタハラと働き方に関する調査結果」を発表した。まず、「産休や育休は取りやすかったか?」と聞くと、「取りやすかった」(36.4%)、「どちらかといえば取りやすかった」(28.7%)と6割以上が肯定的な回答だった。ただ、「取りにくかった」(34.9%)と3割以上いたことも見過ごせない。1人休まれるだけで業務の負担が一気に押し寄せるほどの人手不足状態にある企業は少なくないのだろう。
また、4割近い人が会社や上司に妊娠報告するのが言いづらかったと回答している。妊娠は本来祝福されるべきことではあるが、それを報告することに後ろめたさを感じる人が多い現状はなんとも悲しい。さらに、「妊娠中に働いていて会社にあって助かった制度」で最も多かったのが「時短勤務」(31.4%)。次いで、「通院休暇(有給)取得」(20.6%)、「休憩の拡張」(16.8%)、「業務配置転換」(16.2%)と続いた。通院しやすく自身の体調と相談しながら働き続けられる環境は、体調変化のある妊婦にとって働きやすい。同時に、妊婦に限らず、疾病を抱えながら働くすべての人にとって望ましいだろう。
体調不良時に我慢を強いられるケースも
一方で、マタハラ解消という課題もまだ残る。「上司や同僚からマタハラを受けたことがあるか」という設問に「ある」(13.7%)、「受けたかもしれない」(20.1%)と3割以上の人が被害を訴えた。その内容であるが、1位「皮肉や嫌味を言われた」(40.0%)、2位「体調不良を我慢させられた」(24.9%)、3位「退職を促された」(22.8%)となった。どれも酷いものばかりだ。体調不良を我慢して働き、万一の事態になったら会社側はどう責任を取るのか。
しかしこうしたマタハラを受けた際に「何もしなかった」人は63.3%で、我慢を選択するケースが多いようだ。マタハラを受けた時の周囲の社員の反応を聞くと、「話を聞いてくれた」(42.1%)が最多だったが、「見て見ぬふりをしていた」(37%)も約4割いて均衡している。優しい人もいるが我関せずの人も同じくらいいるのは辛い結果だ。
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