
『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート』公式サイトより
4月8日(月)から放送を開始した『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート』(フジテレビ系列)。このドラマは、患者の病や怪我の根源を見つけ出す縁の下のヒーローたちの戦いを描いた意欲作である。
今ノリにノッている窪田正孝の月9初主演作品とあって、高い注目を浴びている今作品。主人公としては初めて描かれる「放射線技師」の物語であり、「平成」の月9の大トリを担う重要な作品としてスペシャル感が満載なドラマだ。
医療現場のリアルを描く
放射線技師の置かれた現状と医師との確執など、リアルな舞台裏を垣間見ることのできるこのドラマ。放送前はコメディー色の強いドラマかと思っていたが、現代の医療事情や不条理なども切実に描かれていた。放射線技師を格下に見ている医師たちに憤り、「医師の命令は絶対」「放射線技師は医師の黒子」と愚痴る職場の面々の台詞には社会人の悲哀を感じた。優秀な人物ばかりの医療現場でも、我々と同じく不満やストレスを抱えて葛藤しているんだなあ、と少し親近感。
22年もの間、ずっと思い続けてきた杏(本田翼)からまったく忘れられ、「警察呼びますよ!」と犯罪者扱いまで受けてしまう唯織(窪田正孝)。杏のために「放射線技師」になった彼の今までの努力を考えると不憫だ。しかし、再会までの日数を「22年と128日」と正確に数えていたり杏の写真を肌身離さず持っていたりと、少し怖い。一途と表現するだけでは形容しがたい不気味さも併せ持っている。22年間の間、ほかの女性に目が移ることはなかったのか疑問だが、それだけ好きな女性に一直線で純粋な男性だということなのだろう。