女医に恋する放射線技師はストーカーか純愛か〜『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート』

【この記事のキーワード】

ドラマを彩るメインキャラクターたち

 窪田は抜群の演技力で、技師として天才的なスキルを持ちながら、コミュ障気味で他人と上手く関われない唯織を好演。22年前に離れ離れになった杏のために技師という職業を選んだり、人目を気にせず杏との再会をシミュレーションしていたりと、奇抜なキャラクターである。実際遭遇したらかなり引いてしまいそうな人物だが、窪田が演じると妙に納得してしまう。残念な男性を演じさせたら彼の右に出る者はいない。

 上から目線の女医・杏を演じる本田は、初の女医役を務める重圧のせいなのか、演技が妙で不自然。女医として働く姿はとても美しくて目を潤してくれるのだが、医師には見えずに白衣がコスプレのように映ってしまう。彼女の出演しているCMのコスプレ姿は、「可愛い」と大評判だったが、「カッコイイ女医」は米倉涼子ばりの風格がないと難しいかもしれない。

 唯織と共に「ラジエーションハウス」に配属された新人・裕乃には最近活躍の著しい広瀬アリス。個性の強い技師たちに囲まれ振り回されるも、真摯に患者と向き合う姿を爽やかに演じ好感が持てる。私は2年前に広瀬の映画イベントを取材したことがあるのだが、実際の彼女も爽やかで気配りのできる素敵な女性だった。その頃は妹・広瀬すずの活躍の影に隠れていた印象があったので、最近の彼女のめざましい活躍がとても嬉しい。8年ぶりの「月9」出演はさらなる飛躍となるかも。

医師VS放射線技師 

 一風変わっているが類まれな能力を持つ主人公と、個性豊かな仲間たちが織り成すドラマ作品は過去にもたくさんあり、『ラジエーションハウス』も例に漏れず王道を貫いている。登場する同僚はギャンブル好きから男勝りの女子、無気力からイマドキ新人までとクセ者ばかりが勢揃い。

 またこの設定?と思わなくもないが、このドラマには従来の「医療ドラマ」と一味違う点がある。それは医師と放射線技師の小競り合いや、手柄を横取りされる現状などがリアルに表現されているところ。見てはいけない舞台裏を覗いてしまったような気持ちになる。日ごろ、医療現場に身を置く人々のことを次元が違う遠い存在のように感じていたが、「皆、いろいろ我慢しているんだな……」と身近に感じることができた。

 「医学というものをこれまでにない視点から伝えられる可能性を感じている」と主演の窪田が意気込みを見せている今作品は、病院などでX線撮映や・放射線治療などを担当する技師である「放射線技師」に初めて焦点を当てた物語である。

 医者を対象にしたドラマであれば参考にできる作品もたくさんあるだろうが、技師を演じる俳優陣たちは独自に研究と勉強が必要だったのではないか。新しく紡がれていく「放射線技師」たちの熱い闘いが楽しみだ。

1 2 3

「女医に恋する放射線技師はストーカーか純愛か〜『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート』」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。