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「年金=悪」という思い込みは危険。検討されている3つの制度改革を解説!

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生き延びるためのマネー/川部紀子

 ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。4月になってから特に年金のニュースが騒がしいことにお気付きでしょうか? これは、今年が、厚生労働省の機関が5年に1度「年金制度に関して検証」を行うタイミングだからです。

 以前より検討されていた事項ですが、最近の年金に関するニュースは以下の3点にまとめられます。

①70歳以上も厚生年金加入義務化を検討
②在職老齢年金の廃止を検討
③受給年齢70歳超も可能とする選択肢を検討

 近頃は公的年金のイメージが非常に悪いので無理もないのですが、内容をきちんと理解せずにニュースを悪く解釈し、SNSなどに怒りと共に拡散する人も見られます。誤解も多く見られるのが現実ですので、今回は3つのニュースをカンタン解説していきたいと思います。

①70歳以上も厚生年金加入義務化を検討

→誤解実例:えっ、70歳以降も年金払うようになるんですか!?

 現在、厚生年金の加入対象者になれば70歳に達するまで厚生年金保険料を払うことになっています。対象者は、会社からお金をもらっている経営者や常勤役員、従業員です。

 従業員の場合、賃金が月8.8万円以上の人が対象で、労働時間にすると週30時間も1つの目安となります。60歳過ぎてからもそれまでと同じように働いていれば当然対象になりますが、「嘱託職員」などの肩書きで週に3回程度短時間労働をしているような場合は、よほど高額な時給でない限り対象になりません。

 これが70歳以降も義務化となったとき、どんな人が当てはまると考えられるのでしょうか? 即座に対象になる可能性があるのは経営者、常勤役員。そして、70歳以上であっても健康で能力も高いのでフルタイムで雇おうと思われるような人物です。

 これらは「できることなら厚生年金保険料も納めていただきたい!」「そのくらいでは懐にダメージはないだろう!」と感じられるほどに高い収入を得ている人物が多く存在している層です。厚生年金保険料を払える人には払っていただいた方が良いものです。払っても生活していける側の高齢者になっていたいという考え方の人もいるでしょう。しかし残念ながら年金のニュースというだけで反射的に憤っている人も多いようです。

 1人で経営している個人事業主の方に「70歳以降はもう払えないのだけどどうすればいいだろう」と質問されたこともあるのですが、その方はそもそも厚生年金の対象ではありません。安心してください。

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