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幼保無償化の前に、保育士の年収は最低でも150万UPすべき

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「Getty Images」より

 衆議院本会議で4月9日、幼児教育・保育の無償化する「子ども・子育て支援法改正案」が与党や国民民主党などの賛成多数で可決された。今後参院での審議を行い、ゴールデンウィーク前後の成立を目指す見通しだ。

 ただ、すでに世帯収入ごとに保育料は増減されているが、すべての世帯で無償化してしまうと、高所得世帯が恩恵を受け貧富の格差がますます顕著になりかねないといった指摘もある。参院でどのような議論が展開されるのか注目される。

 また、無償になったところでそもそも受け入れてもらえない家庭には何のメリットもない。保育園や保育士不足による待機児童問題は、まだ解消していないのだ。

 株式会社カラダノートの調査では、幼保無償化への「賛成」が6割、「反対」「どちらでもない」は4割となった。反対派の具体的な理由としては、「幼保無償化の分の費用を使って保育士の待遇をよくしたり、 保育園を増やして待機児童をなくすことが子育ての最大の支援につながる」「無償化は金銭的に助かるが、そもそも入園できないと無償化の恩恵は受けられない」といった意見が寄せられている。

 その待機児童問題、各自治体が解消に向けた取り組みを進めて入るが、今年も春先には「#保育園落ちた」というハッシュタグつきで保育園に子どもを預けられなかった親の無念が、ネット上に多く寄せられた。

保育士の年収は他業種より150万円低い

 待機児童が発生する主な要因のひとつに「保育士不足」がある。待遇面の悪さを理由に保育士が一斉退職するケースが複数、ニュースとして報じられたことも記憶に新しいだろう。

 厚生労働省の「平成29年度保育士及び幼稚園教諭の平均賃金等の実態について」では、全業種の平均給与が491.2万円だったのに対し、保育士は342.1万円に留まった。これはあまりに低い。

 政府も「保育士の給与を2019年度は約1%改善(月額3千円程度)する」、「技能・経験に応じて月額5千円から4万円の給与改善を行う」など、待遇改善には務めている。ただ、全業種平均よりも年収が150万円も低く、月額3千円プラスしても、年3万6千円。熟練者であっても最大48万円。これらを足しても全業種の平均給与には遠く及ばない。

 財務省が先日発表した平成31年度社会保障関係予算の内訳を見てみると、幼保無償化の公費は3882億円だったが、保育士の待遇改善は206億円と見劣りするものだった。衆院で可決した今、幼保無償化を止めることは難しいとしても、保育士の賃金ギャップを解消してから話し合われるべき政策に思えてならない。

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