社会

A.L.C.貝塚学院騒動から見えてくる、幼稚園の認可・無認可と多様性の問題

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「Getty Images」より

 3月27日、川崎市の認可外幼稚園(認可外なので正確には幼稚園と呼べないことは後述する)が突然、閉園を保護者たちに通知したことが判明した。しかし29日には閉園を撤回し、混乱を招いている。

 都内では、複数の保育所から保育士たちが一斉に退職して一気に保育士不足が顕著になるといった混乱も起きている。どうやらこれらの事象の一因に、10月から始まる幼稚園無償化による「幼稚園の差別化」が、入園児離れを引き起こしていることがあるらしい。どういうことだろうか?

破産・閉園を突然、保護者たちに通知して騒動に

 突然の閉園通知を出してすぐさま取り消した。そんな騒ぎを起こしてしまったのは、川崎市の認可外幼稚園「A.L.C.貝塚学院」だ。

 認可外については後ほど触れたい。また、正確には認可外の幼稚園は幼稚園と呼んではいけないので、「認可外幼稚園」とは矛盾した呼称だが、本記事ではわかりやすいのであえて使用する。

 A.L.C.貝塚学院を運営する有限会社アメリカンラングエイジセンター(ALC)は3月29日、その3日前に保護者らに通知した破産と事業の停止を撤回すると発表した。これは同じく川崎市の株式会社サンが、A.L.C.貝塚学院の運営資金援助を申し出たためだという。同社は太陽光発電などの事業を行う会社だが、ALCの説明会には同席していない。

 閉園は撤回されたものの、支援者が説明会に同席しなかったため、保護者らの不安は解消されていない。説明会では、ALCの負債総額は8億6300万円で、そのうちの7億円以上が不動産取得費用の残高だと伝えられた。ALCは21日に破産を決めたという。しかし、破産の申し立てを行う前に支援が決まったため、破産を回避できたらしいのだ。

 ところが、このようなドタバタと、肝心の支援会社が姿を見せないことから、保護者らはA.L.C.貝塚学院に子どもたちを預けることに不安を持っている。そして、もうひとつ気になるのは、ALCのビジネスモデルだ。

 同社は入園児の保護者らから「債権」と称して1口5万円の預かり金を集めていた。この「債権」は、満期になれば利息を付けて保護者たちに返金されることになっていた。

 保護者らの不安は、この「債権」が戻ってくるのかどうかにも向けられている。4月から入園予定だった保護者らはすでに支払っていたためだ。実はこのビジネスモデルは非常にグレーだ。というのも、確かに学校法人が「学校債」を発行することはあるのだが、A.L.C.貝塚学院は学校法人ではない。場合によっては出資法違反の疑いもある。もし、返済の見込みが初めからなかったのだとすれば、こんどは詐欺罪にもなりえるというグレーゾーンにいる。

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