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マルチ系アロマを盲信、反医療に突き進む家族 「すてきなイメージ」に潜む危うさ

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SpiYakou124

「Getty Images」より

 科学的根拠のないおかしな健康法や、キラキラ系自己啓発物件などに身内がハマってしまう体験を語っていただく〈身内がトンデモになりまして〉シリーズ。今回は、家族をはじめ、周囲が次々と〈マルチ系アロマオイル〉にハマっていくという体験談です。

 アロマといえば、今やすっかり身近な存在になった癒しアイテム。インテリア系の雑貨屋ではよくアロマのいい香りが漂っていますし、疲れたときに脱力しながら受けるアロママッサージなんてこのうえない至福ですよね。ところがここで登場するアロマはそのようなごく一般的なリラクゼーションから遠く離れ、「高品質だから飲用もOK!」という信じがたい使われ方が広まっている、アメリカのDという商品。料理にジャブジャブ加えるなど、エクストリームな利用法だけでなく、代替療法という側面がアピールされることで、自然派&反医療と結びつきやすくなっている話さえよく耳にします。

「飲めるアロマオイル」のマルチ商法が危険すぎる! おしゃれイメージに隠された罠

 家族や親せきが〈トンデモ堕ち〉した体験を語っていただく〈身内がトンデモになりましてシリーズ〉、本日は番外編となる〈友人がトンデモなりまして〉をお届…

ウェジー 2018.09.25

子どもに予防接種は受けさせない

 今回お話してくれたのは、2人の子どもを持つ30代の主婦C子さん。トンデモ物件にハマった身内は、弟夫婦と実妹。彼女たちは地域の家族たちと一緒に「アロマファミリー」(仮名称)といったサークル的なグループをたちあげ、マルチ系アロマDの魅力を広める精力的に活動しているそうです。

C子さん(以下C子)「親戚づきあいの中で『子どもの足裏に塗っておくと、インフルエンザにかかっても、ひどくならずにすむよ』と、義妹が精油をくれたりするんですよね。でもそんな義妹の子どもたちはインフルエンザにかかり、当時1歳未満の子が入院までしているのですが。義妹が『熱は身体の毒が出ている証拠!』と言い張り、子どもをなかなか病院に連れて行かず、その結果の入院です。

 アロマにハマってからどんどん反医療になっていき、子どもたちに定期予防接種も受けさせていません。私の母も取り込まれつつあるので、祖母の立場から注意してもらうということも期待できず……。同じアロマグループのママさんは、感染症が流行ったらその家に子どもを連れて行き、免疫をつけさせるなんて話をしていました」

 それはもしかしなくても、自然派育児界隈でおなじみの〈感染パーティ〉でしょう。「自然に感染した方が強い免疫がつく」という主張から、「不自然」な予防接種でなく、あえて同志でうつしあうというイベントが存在するのです。東京都医師会のHPによると、この行為について「自然感染は確かに強い免疫がつきますが、一方で、合併症や後遺症になるリスクは高いです」、おたふくかぜの場合は「自然感染の方が、合併症や後遺症になるリスクが100倍以上も高くなる」と説明されていますので、控えめに言っても狂気の沙汰。

C子「妹と義妹は、そのアロマ会社の本部があるアメリカで開催されるイベントに参加するほど熱を上げていますが、ハマるほどに反医療になっている点がとにかく怖いです。飲んだり塗ったり標準医療を否定したり、もはや巷のアロマテラピーとは別モノ。ところが私の住む地域では、そのアロマはマルチ商法だという事実があまり知られておらず、批判めいたことを言うと、まるで『人の趣味嗜好に難癖をつける人』みたいになってしまうんです。

 母や妹に説明してもマルチであるとは信じたくないようで、義妹から頼まれると友人を誘ってセミナーに参加しています。ちなみに義妹たちは『マルチ』ではなく、『ネットワークビジネスだ』と語っていますね。言葉が違うだけで、やっていることは同じなんだけどなぁと思いますが。でもその販売形態をとっているのは、『農家さんのため』なんだとか。自然派さんにウケそうな理由です。『フェアトレードってこと? ピープルツリーとかもあるのに? ネットワークビジネスでなくても、社会貢献している企業はあるよ』と話をしても、まったく耳を傾けてくれません」

 義妹は着実に啓蒙活動を充実させていき、最近では市の支援センターや生協関係の講座で、アロマクリーム作りや虫除けスプレー作りを教える講師をするように。

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