マルチ系アロマを盲信、反医療に突き進む家族 「すてきなイメージ」に潜む危うさ

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パワフルな盲信ぶり

C子「私も一度その講座に出てみたのですが、会場で精油を販売することはないものの、講座50分のうち40分が、アロマ会社Dとの出会いとそこで販売されている精油の話なんです。そして、残りの10分でスプレー作り。『天然成分なので、新生児にも使える』なんてことも語っていました。ただ、子どもに使う場合は足の裏に塗った方がいいと、ここは少し弱気でしたけど」

 義妹たちは観光地でのイベントなどにも出店し、同社の商品「ミネラル」という健康飲料を混ぜたオリジナルカクテルを販売。この原稿を書くにあたり「ミネラルとは何ぞや?」と検索してみたところ、この商品の説明がまたすごかった。

 「1億年前の古代植物から生まれたミネラル豊かな土壌の栄養を」独自技術で抽出してるんですって。

 「宇宙の設定!」とか「レムリアの記憶!」とか壮大なスケールで語られると、思考停止して違和感を呑みこんでしまう法則でもあるんでしょうか。

C子「さらにバーを経営するアロマ仲間もいるようで、妹たちはインスタにDの精油をたらしたカクテルを飲んでる写真をアップするんですよね。その投稿へのお仲間のコメントは『このオイルを組み合わせるとは、さすがだなぁ〜』なんて。『100パーセント天然成分だからじゃぶじゃぶ飲める!』という感覚のようです。

 私も友人宅でレモンの精油を数滴たらしたお水を勧められたことがあり、それを飲んだら2時間に3~4回トイレに行くはめになりました。『利尿作用があるから』と聞かされましたが、そんなに急激に作用するものなんでしょうか?

 妊娠中の頭痛にペパーミントの精油を勧められたのでこめかみに塗ったら、その晩破水して入院となりました。その精油のせいかどうかはわかりませんし、幸い子どもは無事で現在も元気に育っていますが、今になってぞっとしてきました」

 分娩時にトラブルに見舞われたDユーザーの知人は、「母体が助かったのは、D社のアロマを使っていたからだ」と語っていたそう。それは宗教でよく聞く、「信仰があったから助かった」という思想となんら変わりがないような……。しかもパワーストーンなどの分かりやすい「お守り」とは違い、健康効果を謳うアイテムでこのエピソードが出てくると、さらなる闇の深さを感じます。

C子「そのアロマサークルは栄養学セミナーも開催し、予防医学情報研究所の所長なる人を招いて健康食品を販売したりと、もはやアロマが関係なくなっている活動へも手を広げています。でも、彼女たちは『私たちはいいものを広めている』と考えているので、疑問はもってはいないようです。おまけに最近は胎内記憶の映画を上映し、人を集めるとも聞いています。その前は、わらべ歌教室も主催していました。

 義妹はコミュ力が高く、支援センターの職員に向けてもアロマのレクチャーをしたことがあります。市の講座を受けたママさんも、Dのアロマオイルを買っていました。こうやって周りがだんだんトンデモ要素の濃いアロマママ化。サークルの活動が広がっているのを見ると、この地域全体がトンデモに取り込まれようとしているように思えてきます」

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