泊まれる本屋や入場料を払ってでも入りたい本屋。出版不況にあらがうユニークな書店の奮闘

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1冊入魂の書店

 新刊だけ販売している書店があれば、さらに絞り込んで、1冊だけ販売している書店もあるから驚きだ。その名は「森岡書店 銀座店」。1冊の本を売るといっても、店内にぽつんと1冊置いてあるわけではない。その1冊の本に関係する品の展覧会を行いながら書籍を販売しているのだ。また、その1冊が出来上がるまでに関わった著者や編集者、デザイナーなどができるだけ店に滞在して、読者に直接手渡しで売るという方針も持っている。

 当然、要望があればサインもするし、会話もする。つまり、作り手と読者がコミュニケーションを取りながら1冊の本を売っているのだ。

 販売する本は約1週間で変更される。したがって、週に一度通えば、新しい本と関連する品々、時には著者などの作り手と接することもできる。現在どの本をどのように売っているのかはTwitterで確認できる。

読書を楽しんでほしい

 本離れが進む一方で、大型書店やAmazonが台頭する時代だが、そのことでかえってユニークな書店が登場し始めている。どこで購入しても定価が決まっている本だからこそ、売り方の個性が際立ってくる。

 ただ、今回紹介したユニークな書店は、本を大量に売ろうというよりも、まずは本と出会う機会を増やしてほしいという共通のコンセプトを持っているような気がする。すでに読書が好きな人にとっては、本が未知の世界への入り口であることは既知の事実だ。

 しかし、あまり本を読まない、あるいはまったく本を読まない人にこそ、本と出会うことの楽しさを知ってほしいという気持ちが、ユニークな書店には感じられる。

 私もブックライターとして日々本作りに携わっている一人なので、多くの人に読書の楽しさを知ってほしいと願っている。

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