ビジネス

レトルト食品への罪悪感は不要! 「時短」から「時短×ヘルシー×エシカル」へ進化する最新レトルト事情

【この記事のキーワード】

時短がキーワードの新製品

 レトルト以外のインスタント食品においても、驚くほど時短レベルの高い商品が出てきている。

 イオングループは、電子レンジで30秒温めるパンケーキ、90秒温めるフレンチトーストなどの冷凍食品をこの3月に発売した。特にパンケーキは忙しい朝の利用を想定し、1分の壁を超える画期的な時短を実現した。

 日清は、4月に「そのまんま麺」シリーズとして、冷やし中華や冷やしジャージャー麺、ぶっかけうどんなどを発売。しばらく前に話題となった流水麺の先を行き、麺を水でほぐすことさえも不要で、そのまま食べられる。

 これらのようにすぐに食べられるものだけでなく、使えば即座に味が決まる時短調味料が続々と登場しているのも最近の流れである。ブルボンのマヨネーズ風味シートは、スライスチーズのようにパンに挟んだり、料理の上に載せて溶かして使う。マヨネーズを絞り出すよりも早くてラクという面でも時短である。

 サッポロホールディングス系列の神州一味噌が発売した、だし入りみそのフリーズドライパウダーは、みそ炒めが簡単に作れる。扱いやすさと味の決まりやすさが時短となる。

 カゴメのチューブ式トマトソースは、すでにニンニクなどで味が調えられている。ちょい使いを可能にすることで、調味料レベルの身近なポジションを狙える点が新しい。

 いずれも食材自体は昔からあるものだが、形状を変えることで、新しい価値を生み出している。

一食で栄養バランスが整う総菜の素、カップ食品の登場

 消費者の心を掴む時短食材だが、一方で「添加物が多そう」「栄養バランスが悪そう」「毎日食べるのは抵抗がある」「体に悪そう」といった負のイメージから時短食材を利用しない人もいる。

 最近はそうした負のイメージを覆すような「時短×ヘルシー」のレトルト食品も続々と誕生している。特に女性が加工食品に感じやすい「健康にも美容にも悪そう」「手抜き感満載」という罪悪感を払拭しようと、各社さまざまなアイデアで新商品を開発している。

  たとえば江崎グリコは、ごはんとおかず一品で一食分の栄養バランスが整う総菜の素8種類を今年の2月に発売した。「なすの肉味噌炒め」の素は、商品のほかになすと豚ひき肉とサラダ油を用意すれば、3~6分で調理が済む時短商品である。

 従来品では、三大栄養素でいうと炭水化物や脂質が過剰になりがちであったが、材料に大豆ミートをプラスすることで、たんぱく質を補うことを実現した。若い世代ほど、総菜の素を使ったおかず一品で済ませているという調査結果から開発された商品なのだという。

 「総菜の素を使っても実際に調理した立派な料理。ちゃんと栄養バランスを考えて選んでいる、とポジティブな面をアピールして(総菜の素への)ネガティブな気持ちを取り払いたい」(引用:日経 X TREND)と商品担当者も発言している。

 メニューからしてわかりやすいヘルシーさを打ち出しているのは、ナチュラルローソンで2月から期間限定で販売されている、栄養バランスが整う玄米粥である。そのままでも電子レンジで温めても食べられるという時短商品だ。これは、あられ、せんべいで知られる亀田製菓が、カップレトルト市場に初参入した商品で、トマト味、きのこ味のお粥に、大豆ミルクや豆を原料とした5,000mgの植物性たんぱく質が含まれ、100kcal以下を実現している。

 30~40代女性の1日のたんぱく質摂取の推奨量が50gなので、お粥から摂取できる量はその1/10になる。それでも本来玄の米粥150g(商品と同量)のたんぱく質量は1.8gなので、3倍近い。豆乳200gを1パックつければ8.3gのたんぱく質が摂れるので、1日に必要な量の3割近くとなる。

 ちなみにこの商品が植物性たんぱく質を配合しているのは、地球保全的な視点から、「時短×ヘルシー×エシカル」と。さらにキーワードが増えていくのは将来的にはトレンドになるかもしれない。

1 2 3

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。