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非正規教員の使い倒し 根本的な問題は教員の労働環境に?

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Thinkstock/Photo by maroke

 神奈川県横浜市にある中高一貫校・学校法人橘学苑で先日、非正規教員の雇い止めが相次いでおり、昨年度までの6年間で実に72人もの教員が退職していることがわかった。また、東京都文京区にある京華商業高校でも今年1月、雇い止めを学校側に言い渡された2人の非正規教員が雇い止めを不当だと訴え、撤回を求めてストライキを敢行し話題を集めた。

 京華商業高校で雇い止めを受けた教員は2人とも学級担任を務めており、1人は男女バレーボール部とダンス部の顧問を、もう1人は水泳部、柔道部、手話同好会の顧問を兼任していた。

 非正規労働者の雇用安定を目的とした改正労働契約法(2013年4月施行)では、有期契約が5年を超えた場合、有期契約労働者が申し込めば無期に移行できる「無期転換ルール」がある。しかし、非正規労働者をあくまで“雇用の調整弁”と捉え、無期転換させないために4年目で雇い止めをする悪質な企業も多い。このような事態が学校現場でも起きている。

4校中1校が「雇い止めする予定」

 全国私立学校教職員組合連合が全国の私立学校(中学校・高校)を対象に実施した調査によると、「校内に有期雇用教員はいない」と回答した学校は253校中81校(32.0%)。つまり、7割近い私立学校は非正規教員が教鞭をとっている。しかしその中で「5年未満に雇い止めする方向で学園が対応している」と答えた学校が68校(26.9%)と4校に1校もあった。今回発覚した橘学苑や京華商業高校は氷山の一角と言えそうだ。

 自ら非正規教員という働き方を選択しているケースもあろうが、正規で働くことを望んでいるにもかかわらず非正規で働かざるを得ず、「いつ首を切られるのだろう」と怯える教員もいることだろう。教員がそうした不安定な働き方を強いられながら、生徒達の指導にあたることが、めぐりめぐって生徒側への不利益にならないとも言えない。

 なぜ、非正規教員を採用し、雇い止めする私立学校は少なくないのだろうか。教育社会学者で名古屋大学准教授の内田良氏に、私立学校の運営状況や非正規教員の雇い止めの現状を伺った。内田氏は「私立学校に限らず公立学校でも、非正規教員の使い捨ては当たり前になっている」と警鐘を鳴らす。

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