しかし、気になることが2つ。いくらジャニー氏が「後は任せた」と滝沢を指名したとはいえ、ジャニーズ事務所本体を仕切るのは、ジャニー氏の姉であるメリー喜多川氏の実娘・藤島ジュリー景子氏。メリー氏はSMAPを育ててきた飯島三智氏に対し、「ジュリーと対立するなら出て行ってもらう」と明言さえしている。飯島氏はその後、ジャニーズ事務所を退社した。滝沢はメリー氏およびジュリー氏と対立することなく、やっていけるのだろうか。
そしてもうひとつは、1月から喧しく「滝沢秀明が先輩タレントを粛清」とのゴシップがわいていたことだ。具体的には、滝沢と元SMAPの木村拓哉とのあいだに壁があるようだ、との報道があった。そのうえで、滝沢が木村の“絶対的スター”というイメージを払拭させるために様々なバラエティ番組に出演させ、庶民派のイメージに変えるためシークレットブーツの着用を禁止したなどという話も浮上。また先輩ではないが不祥事の多いNEWSも粛清対象だ、ともっぱらだった。
だがそこまでの権利を滝沢が有するとは到底思えず、何よりタレント流出の激しい今、すでに固定ファンを多く持つ人気タレントたちを排除するという不合理な選択を滝沢社長がとるとは考えられない。むしろ、滝沢秀明には昔ながらの慣例に縛られず、周到な準備と冷静かつ合理的な判断を重ね、ジャニーズ事務所をより健全で風通しのよい組織にしてくれることを期待したい。