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簡単調理の「罪悪感」を払拭し人気沸騰、激化するミールキット市場の競争

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イオンの「トップバリュ CooKit(クキット)」

手作り感満載のミールキット

 「献立を考えるのが大変」「下ごしらえが面倒」「味つけがうまくいかない」「野菜を使いきれず余らせてしまう」。そんな料理にかかわる悩みを解決し、共働き世帯の「忙しいけれど、家族に手料理を作りたい」という願いにも対応した商品「ミールキット」が多く世に出てきた。

 オイシックスの「KitOisix(キットオイシックス)が代表的な商品で、簡単レシピで20分以内に主菜と副菜の2品が作れる。毎週20メニュー以上あり、スマホなどから注文すれば、自宅にまで届くことから人気を集めている。

 2013年7月に発売し、昨年5月に累計出荷個数1000万食を突破。3年前の14倍以上と急速に売上げを伸ばし、最近ではスーパーの売り場でも見かけるようになった。

 セブンイレブンのお届けサービス「セブンミール」は、1食分から注文できる利便性が支持されている。各地の生協もその多くがミールキットを販売しており、売上を年々伸ばしている。

冷凍食品のラインナップを次々と揃えるイオンと無印良品

 こうした状況のなか、イオンは昨年3月にフライパン調理による手作りと時短調理の両方を叶えるシリーズ「トップバリュ CooKit(クキット)」を発売した。チルドタイプの2人前のキットで、調理時間は10分~15分。

 30代、40代の女性を中心に、2人世帯のシニアも購入しており、「失敗しなくていい」「材料を用意する必要がない」など好評で、2億5000万円を売り上げるヒット商品となった。下ごしらえする必要がなく、フライパンで調理するだけで時短になるが、ひと手間かけることで「手抜き」という罪悪感が薄れる効果も支持される理由だ。

 今まで35アイテムを開発し、現在は季節商品7アイテムを含む10アイテムを揃える。レギュラーアイテムは、「オイスターソースの風味が香る青椒肉絲」950円、「スパイス香る野菜のキーマカレー」734円、「彩り野菜と鶏肉のカシューナッツ炒め」950円、約300店舗で販売している。

 今年4月8日には、スーパーのPBとして初めての冷凍アイテムを全国の「イオン」「イオンスタイル」「マックスバリュ」など約1600店舗で発売。各店のネットスーパーでも取り扱う。

 具材はカットして下ごしらえまで済ませており、調味液付きのため、水や油、調味料も不要だ。1パックで材料がすべて揃い、短時間で調理ができる。600ワットの電子レンジでトレーごと3分半解凍し、取り出して炒め、調味液で仕上げる。調理時間は10分程度だ。

 野菜と肉の加熱を均等にするために電子レンジで半解凍するノウハウを確立するまで、開発には2年間を要したという。

 第一弾として「鶏もも肉とれんこんの甘辛炒め」「牛肉と野菜のプルコギ風」「黒酢酢豚」「豚肉となすの甜面醤炒め」「えびとブロッコリーの中華あん炒め」の中華5アイテムと、「筑前煮」の和食1アイテムで合計6アイテムのラインナップ2人前で価格は861円。

 冷凍のミールキットを開発したことで、賞味期限が短く買い置きができないというチルドタイプのミールキット悩みを解消した。

 商品の認知度を高めるため、サイネージやPOPを活用して売り込みを図り、試食販売も実施する。冷凍タイプは年間5億円の売上げを見込み、チルドタイプの取扱い店舗も増やして、今年度は合わせて10億円の売上げを見込んでいる。

 冷凍食品は長期間保存でき、簡便に調理できるアイテムであることから年々売上げが増加しており、今後も成長が期待できるマーケットだ。弁当のおかずから、今や食卓の1品として使われるようになり、各メーカーとも新商品を次々と投入して登場させ激しく競っている。

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