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池袋暴走事故で過熱の「上級国民」批判、強い処罰感情と権力への不信感

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「Getty Images」より

 4月19日、東京・豊島区池袋で乗用車が暴走し、自転車で走行していた母子が死亡、8人が負傷する痛ましい事故が発生。この乗用車を運転していた飯塚幸三氏(87)が逮捕されず、「容疑者」として報道されることもないことへの疑問が、インターネット上で続いている。

 飯塚氏は工学者で、旧通商産業省工業技術院院長をはじめ、クボタ常務取締役など各種団体・企業の重役を歴任してきたエリートであり、瑞宝重光章も受賞していることから、「上級国民は逮捕されないのか!」と憤懣やるかたない声が上がっているのだ。

 20日には兵庫・神戸市で市営バスが横断歩道の歩行者をはね、20代の男女2人が死亡、20~50代の男女6人が重軽傷を負うひどい事故も発生。しかしこちらの運転手(64)は「現行犯逮捕」され、容疑者として報道された。このことが、飯塚氏に関する報道への「上級国民“忖度”」疑惑をよりいっそう広めた。

 ネット上では暴走事故を起こした飯塚氏に対する不満・怒り・疑問の声が非常に多くなっており、なぜ飯塚氏が逮捕されず「さん」または「元院長」と呼ばれているのかについて複数のメディアが解説するも、落ち着く気配は見られない。

 複数のメディア解説によれば、飯塚氏は事故により負傷し入院中であり、身柄を拘束できない。また逃亡や証拠隠滅の恐れがないため逮捕せず、警察は任意で事情聴取をする方針、だという。そうした説明を受けても、「特別扱いはおかしい」と、ネットの怒りは加速するばかりだ。飯塚氏のSNSアカウントやwebページが「削除されている」との噂も錯綜、いたずらな炎上が続いている。

 もちろんこれほどまでに一般ネットユーザーの怒りを買うもっとも大きな理由は、31歳の母親と3歳の幼い娘が、横断歩道を自転車で渡ろうとしただけなのに、無惨にも轢き殺されたという悲惨すぎる事故だからだろう。暴走した運転手が87歳と高齢であり足を悪くしていたことからも、「リスクがありながら運転するなんて許せない」と処罰感情を煽っている。また、自家用車以外に交通手段のない田舎ならともかく、公共交通の発達した都会で起きた事故であることも、運転手側の身勝手という印象を強める。

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