遺体を鍋で煮込んだ八王子カリスマホスト殺害事件

文=高橋ユキ
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【平成の事件11】柏通り魔事件

<2015年傍聴@千葉地裁>

 2014年3月3日の夜に千葉・柏市内で発生した連続通り魔事件。翌々日に逮捕されたのは近所に住む竹井聖寿(24=逮捕時)だった。捜査員から任意同行を求められた際、チェスの“詰み”を意味する「チェックメイト」とつぶやいたことや、連行される際に「ヤフーチャット万歳!」と叫んだりしたことが注目されていたが、翌年に開かれた裁判員裁判においても奇行が目立った。

 初公判からしばらくは、スーツに身を包みうつむいて入廷し、しおらしい姿を見せていたが一転、第4回公判では、法廷に入るなり『ワンマンショー』を開催。思わぬ事態に裁判の進行が遅れる事態となった。開廷時刻より少し前に法廷奥のドアから警備に伴われ入廷した竹井は、いつものスーツではなく白いタンクトップに膝下丈のジーンズという出で立ち。ドアが開くなり「僕〜が僕〜であるために〜〜勝ち〜続けなきゃ〜ならない〜」と尾崎豊の『僕が僕であるために』を熱唱し始めた。

 弁護人も検察官も席についているが、なぜか誰も止める者はおらず、竹井は歌い続ける。

「ぬ〜すんだバ〜イク〜では〜しりだす〜ゆく〜さきも〜わか〜らぬ〜まま〜」

 メドレー形式で『十五の夜』に移る。先ほどと同じくなぜか誰も止めず竹井は歌い続け「自由になれた気がした〜十五の夜〜」まで歌いきってしまった。

 その後、間髪入れず「検察官!今のうちに死刑求刑しておけ!俺は反省する気は一切ない!」と叫ぶ。

 刑務官らはいつにもまして距離を詰めて竹井を取り囲み、弁護人はこの段になってようやく「だまりなさい!」と言い出したが、竹井に黙る様子はない。

「覚悟しておけ!道連れだ〜〜!ハッハッハッハッ、ハッハッハッハッ」

 笑い声が法廷に響き渡った。弁護人は苦悩の表情で目を閉じ……裁判は休廷。それ以降、またしばらく竹井は大人しくなったのだが……判決の日。再び〝タンクトップモード〟に。法廷に入るなり、また歌い出した。

「彰晃~彰晃~彰晃彰晃彰晃~」

 今回は麻原彰晃の歌からスタートである。「静かにしなさい!」という裁判長や弁護人の制止も聞かず、メドレーは次の曲へ。

「行儀よ~く真面目なんて出来やしなかった~」

 尾崎豊の『卒業』だ。「この支配からの、卒業~」まで歌いきった後、弁護人に小声で叱られ、静かになったが「薬でラリってます、フッフッフッフッ」と笑い続けた。

 メドレーはここで終わり、裁判長の判決言い渡しが始まる。主文となる無期懲役を告げられるや否や、なぜか両手を高く上げて拍手。閉廷後も「これでまた将来殺人ができるぜぇ~~。検察官、このメガネ野郎、殺人は麻薬よりセックスよりも気持ちいいぜ~~ハッハッハッ」とまた高笑い。5人の職員に引きずられて法廷をあとにした。2016年、無期懲役が確定している。

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