社会

足立区女子高生コンクリート詰め殺人事件、主犯格の再犯【高橋ユキ裁判傍聴】

【この記事のキーワード】
【加筆待ち/画像OK】足立コンクリ再犯の画像1

「Getty Images」より

 天皇陛下の生前退位により「平成」が幕を閉じ、5月1日からいよいよ新元号「令和」となった。

 筆者は2005年(平成17年)から、主に刑事裁判を見つめ続け、傍聴ライターとして稼働してきた。本記事では、これまで傍聴してきた刑事裁判を1年に1件ずつ紹介しながら、平成の事件を振り返ってゆきたい。今回が最終回となる。

【平成の事件13】小金井ストーカー刺傷事件

<2017年傍聴@東京地裁立川支部>

 岩埼(現姓・岩崎)友宏(27=逮捕時)は2016年5月21日、東京・武蔵小金井駅近くに位置する集合ビル入り口付近で、20歳の女性を滅多刺しにして逮捕された。女性はこの日、ビル地下にあるライブハウスで開催されるイベントに出演予定だった。

 事件はストーカー行為の果てに起こった。岩埼が彼女を知ったのは2014年ごろ。雑誌に載っている女性を見たのをきっかけにネット検索し、女優として活動していることを知った。彼女のブログに書き込みをしたり、当時の所属事務所に手紙を送ったりするほか、舞台やライブに足繁く通った。ある日のライブ終了後に時計と本をプレゼントした岩埼だったが、店から出てきた女性にしつこくつきまとい、タクシーで帰られてしまう。この翌日からネットで女性に誹謗中傷を繰り返していた。

 公判で岩埼は、被害者意見陳述において、衝立の奥から声を振り絞り陳述する女性に対し大声をあげるなどして退廷させられた。判決は懲役14年6月。控訴したが取り下げ確定している。

【平成の事件14】松戸女児殺害事件

<2018年傍聴@千葉地裁>

 2017年3月26日、千葉県我孫子市の排水路脇でベトナム国籍の小学3年生のレェ・ティ・ニャット・リンちゃん(9=当時)が殺害されているのが見つかった。翌月、リンちゃんの遺体を遺棄した疑いで逮捕されたのは近くに住む澁谷恭正(46=逮捕時)。渋谷は、リンちゃんが通っていた小学校の保護者会の会長を務めていた人物であり、自身も子供がいた。

 澁谷は初公判の罪状認否で「全て違います。架空で捏造されたことであり、一切関係していません。拘束も、逮捕状が提示されないまま拘束されました。一貫して否認しており、全面的に否認します」と全面否認。

 リンちゃんは3月24日の8時2分から3分にランドセルを背負い自宅を出る姿が防犯カメラに映っている。だがその後の通学路にある防犯カメラにその姿が映っていない。遺体には、わいせつ行為のうえ殺害されたことを示す所見があった。外性器と肛門は損傷して出血していた。身体中には唾液が付着しており、体の両手首には表皮剥脱と変色がみられる。これは膣内に何か挿入され体を舐めまわされ、SM手足錠で拘束されたことを示している。顔面は鬱血していた。

 一方、澁谷が使っていたダイハツムーブの車内や、キャンピングカーに積んであるものについた血液には2人のDNA型が混合しており、被害者のDNAが発見された。ムーブの運転席、後部座席、床上マットなどには人の血がついており、被害者と同一のDNA型が検出された。後部座席には尿反応があった。キャンピングカーにあった結束具などには人の唾液が付着しており被害者と同一のDNAが検出された。同じくキャンピングカー内のコンテナにあったフェイスマスクには被害者のDNAを含む他人の混合DNAが検出された。

 澁谷は事件の日の行動について「子供を車で学校へ送った後駐車場で休憩していた。その後子供と行くための釣りの下見をしていた」と述べていたが、この日の昼にはリンちゃんがいなくなったことが騒ぎになっており、渋谷のもとにも学校関係者から電話がかかってきていたが、それを無視して下見を続けていたことになる。

 こうした言い分は認められず、一審では無期懲役判決が下された(求刑・死刑)。現在控訴中。

【平成の事件15】足立コンクリ事件の再犯事件[高橋1] 

<2019年傍聴@さいたま地裁>

 昨年8月19日、埼玉県川口市の路上で、男性(32=当時)の肩を警棒で殴ったうえ、首をナイフで刺したとして、殺人未遂容疑で無職の湊伸治(45=逮捕時)が逮捕された。当初、湊は「駐車をめぐるトラブルで殴ったり刺したりしたが、殺すつもりはなかった」と容疑を一部否認していた。のちに湊は傷害罪で起訴され、今年から公判がスタート。逮捕当時とは認否を変え「えーと、警棒で右肩殴ったところ、ちょっと違う」と警棒で殴ったことを否認した。

 元号が平成に変わる直前の昭和63年末から翌64年初めにかけ、当時16歳から18歳らの少年らが、見ず知らずの17歳(=当時)の女子高校生を埼玉県で拉致し、東京・足立区の住宅内で監禁した上、暴行や強姦を繰り返したのち死亡させ、その遺体をコンクリート詰めにして遺棄したという凄惨な事件が起こった。湊はこの事件で逮捕された主犯格の少年4人のうちの1人である。彼らはそれぞれ公判に付され、懲役刑の判決を受けたのち、服役。その後社会復帰していた。

 湊は今回の傷害罪について、まず警棒で殴ったことを否認したが、その後さらに「自分は刺してはいない」と主張を変遷させた。さらにこの言い分を手紙にしたため裁判官に直接送ったほか、公判でも「ナイフは頭に当たってない、捏造だと言ってるんです!」と、“警察による事件の捏造”を訴え始めたところである。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。