心筋梗塞は1時間以内の救急処置が要 旅行中でも15分以上続く痛みは躊躇せず電話を

【この記事のキーワード】

心停止したら、まず119番通報、胸骨圧迫、AEDが生死を分ける

 このような心筋梗塞の救命に欠かせない緊急行動は何か。

 まず、心筋梗塞の発症が疑われる場合、救命は発症から1時間が鍵となる点を忘れず、119番通報して救急車を呼ぶ。また、急性心筋梗塞の発症者のうち、突然の発症35%、前兆となる不安定狭心症32%、狭心症33%なので、これらの前兆を見逃すと恐い。

 もし心停止が確認できた場合は、救急隊到着まで心肺蘇生のための胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行わなければならない。

 2007年に野々木氏を含む日本の2つのグループは、「人工呼吸を含めた心肺蘇生法(CPR)に比べて胸骨圧迫の効果は同等あるいはそれ以上である」とする論文を発表。

 米国心臓協会(AHA)は研究データをガイドラインに反映し、両手で胸骨圧迫する「ハンズ・オンリーCPR」をバイスタンダーに推奨している。近くに自動体外式除細動器(AED)があれば、胸骨圧迫の後にAEDを使うことも忘れてはならない。

 2006年の総務省消防庁のデータによると、心原性心停止を起こした人の1カ月生存率は、一般市民がAEDを使用した場合32.1%、使用しなかった場合8.3%であった。AEDの有効性は明らかだ。

 しかし、バイスタンダーにはどうしようない課題もある。心停止から専門施設搬送までの時間は、救急車で循環器救急専門施設へ直接搬送された場合でも1.5時間かかる。しかも直接搬送は32%にすぎず、残りの68%は専門施設到着までに4~8時間もかかる。循環器疾患の超急性期診療システムの構築が叫ばれるゆえんだ。

 日本循環器学会は、循環器救急医療の均てん化(格差の是正)を図るために、AED普及、蘇生科学、心肺蘇生法トレーニング、循環器救急医療制度の4つの小委員会で構成する「循環器救急医療に関する委員会」を設立。小中学生を対象にした心肺蘇生法の講習を進めている。

 救命の鍵はバイスタンダーの迅速かつ適切な行動だ。GW中に近親者が目の前で心筋梗塞を起こしたら、まず119番通報、胸骨圧迫、AEDを忘れないで欲しい。

1 2 3

「心筋梗塞は1時間以内の救急処置が要 旅行中でも15分以上続く痛みは躊躇せず電話を」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。