アップルのみならず、王者・サムスン電子の牙城を崩しつつあるファーウェイは、どこが優れているのだろうか。
「まずは、技術力でしょうか。ファーウェイは通信機器を開発するベンダーとしてスタートした企業なので、通信関連の技術が非常に長けています。ですから5Gといった新しい通信システムにも、いち早くキャッチアップできています。また、培ってきた技術を活かして、折り畳み式のスマホといった他のメーカーがチャレンジしていない分野に先んじて手をつけているところも、シェア拡大に貢献していると思います。

ファーウェイの人気機種「HUAWEI P20 lite」(HUAWEI公式サイトより)
そしてファーウェイの魅力は、なんといっても費用対効果が非常に高いところでしょう。ファーウェイが展開するスマホで、2018年に一番売れたのは、『HUAWEI P20 lite』という3万円前後の機種でしたが、同じ価格帯のスマホと比べたときに、カメラの性能や処理能力が格段に優れており、コストパフォーマンスが非常に良いのです。ハイエンドモデルでは高い技術力を誇示することでブランド力をつけつつ、ミドルエンドの機種や格安な端末はコストパフォーマンスに優れているという二段構えが奏功しているメーカーだと言えるでしょう」(石野氏)
ソニーは台湾企業化したシャープにユーザーを奪われた!?
石野氏が挙げたファーウェイの「HUAWEI P20 lite」といえば、SIMフリー版が非常に人気の機種だ。日本全国の家電量販店やECショップの実売データを集計した「BCNランキング」、2018年(1月~12月)SIMフリースマホのシリーズ別販売台数シェアでは15.6%を記録し、ランキング1位を獲得している。現在、「格安SIM」や「格安スマホ」と呼ばれている事業者の台頭もあり、SIMフリー端末の需要も高まってきている印象だ。