大津園児死亡事故、保育園の記者会見は必要だったのか

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「Getty Images」より

 5月8日、滋賀県大津市の県道交差点で右折中の普通乗用車が直進中の軽自動車にぶつかり、その反動で軽自動車が信号待ちをしていた散歩中の保育園児の列に突っ込むという事件が起きた。この事故で社会福祉法人「檸檬会」が運営する「レイモンド淡海保育園」に通う2~3歳の園児13人と保育士2人が救急搬送され、園児2人が亡くなった。

 この痛ましい事件を受け、8日18時頃から同園の園長らはマスコミ記者会見を開いた。しかし会見での一部記者の不適切な質問に、批判が相次いでいる。

 記者会見では最初に檸檬会の副理事長を務める青木一永氏が、事故の詳細や車と接触した園児や保育士の現状などを説明してから、記者の質問に移行した。記者からはまず「亡くなった2人の園児はどのような子供だったのか?」という質問が寄せられ、若松ひろみ園長は泣き崩れながら答えようとするも、途中で「すいません、何も言えないです」とハンカチを口元に当てた。泣き崩れる若松園長に、記者たちは「園児達にはどういった声をかけたいか?」、「散歩を出発する園児はいつもと変わらなかったか?」などの質問を連続して投げかけた。

 今回の記者会見は制限時間が30分間に定められていたため、記者たちもできるだけ多くの情報を聞き出そうと意識していたのだろう。しかし、まともに回答できない園長に休む間もなく質問をぶつける様子は、集団リンチの様相を呈しており、視聴者からの「一体なぜ」「打ちひしがれる保育園関係者の姿をカメラに収めたいだけでは」という懐疑的な声がネット上に多く上がっている。

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