社会

今どきの大学生はラーメン1杯も食べられない? 学生の生活水準低下が炙り出す日本経済の実態

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大学院への進学や親の収入不安

 以前と異なり、今の時代は大学院への進学や留学など、さらに教育費用がかかることも十分に考えられる。高学歴ニートという言葉に代表されるように、進学したからといって、必ずしも子どもが望む就職先を確保できるとは限らない。

 昭和から平成の前半までは、とりあえず4年制大学を卒業すれば、あとは大人なので好き勝手にすればよいという雰囲気だった。だが、子どもの教育にさらにお金がかかる今の時代においては、年収が増えたとしても親は支出を抑制する可能性が高い。

 親自身の生活不安も考えられる。

 このところ、一定の年齢以上になって主要ポストに就いていない社員を管理職から降格させる、いわゆる役職定年の制度を導入する企業が増えている。役職定年が適用された場合、会社に残ることはできても、年収が大幅にダウンする可能性が高い。自身がその対象になっていないにしても、身近に年収が下がるケースを目にすることで、将来への不安は大きくなっているはずだ。

 これまでは、子どもの教育費については制限なしに投資するという感覚の世帯も多かったが、そうしたことも言っていられなくなったのかもしれない。

遠距離の大学に行かせることが困難に?

 日本はバブル崩壊以降、デフレが続いているとされてきた。だが、一連の状況を眺めて見ると、デフレで物価が下がっているという認識は正しいとは言えない。日本はずっと不景気なので、外食産業などは価格を安くしないと顧客が離れてしまうため安値販売を余儀なくされた。

 だが大学の授業料や家賃は、こうした環境でも上昇を続けている。確かに一つの大学だけ授業料を上げれば、他の大学に学生は流れてしまうかもしれないが、各大学が一斉に値上げすれば、そうした事態は起こらない。不動産も横並びで家賃が変動するケースが多く、あらゆる物件の賃料が同時に上がっていく。

 他に選択肢のない電気料金や水道料金になるとその傾向がさらに顕著となる。電力会社などは事実上の独占企業なので、完全に自己都合で料金を決定できる。電気料金は過去10年で約20%、プロパンガス料金は13%、上下水道は7%も料金が上がった。

 一方、外食産業には多種多様な企業や業態があり、すべての価格が一斉に上昇することはなく、際限のない価格競争に追い込まれている。

 つまりデフレ、デフレと言われているのは、価格に敏感な一部の業種だけであり、大学や家賃、インフラ関連など政府に保護された業界の価格は常に上昇しているのが現実だ。値上げに加えて、将来の不安も大きいとなると、毎月の生活を切り詰めるという話になるのも無理はない。

 かつて国立大学と私立大学の学費にはかなりの差があり、どんな家庭環境の人でも学力さえあれば、国立大学に進学することで教育を受けることができた。だが国立大学の学費も大幅に上昇した今、国立と私立の差は縮小している。

 年収が900万円を超える世帯であっても、地元以外に進学させると、子どもはギリギリの状態で生活しなければならない。今後は、実家を離れて進学することそのものが、困難になっていくのかもしれない。

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