似たようなところでは、今年3月8日に中高年女性向けのwebサイト「ミモレ」が掲載した記事で、夏木マリが「MASHING UP」というイベントに登壇し、「アンチエイジングという言葉、私は嫌いです」と発言しているのが紹介された。同記事はYahoo!ニュースにも転載され、広く読まれたことがうかがえる。夏木はイベント後の質疑応答で、次のように発言していた。
「アンチエイジングという言葉、私は嫌いです。歳をとるのは仕方のないことですから。シワが増える分、朝からパックだなんだとやることが増えるのは大変だけど、これは年齢を重ねた女のノルマ。あれこれやらなきゃいけないのが悲しいのであって、シワが増えることが悲しいのではないの」
藤田ニコルの指摘する“インスタ映え”以外は、その言葉自体の古臭さというよりは、概念を根本から否定するコメントのようではあるが、いずれもその言葉が好きでないと言っていることに変わりはない。
ネット社会では言葉があっという間に消費される
言葉が短期間で使い尽くされるようになったのは、特にスマホとSNSが浸透してきてからのように思う。ネットニュースはスマホの画面にタイトルが一覧されるのが特徴である。タイトルやSNSの投稿に、流行りの言葉が一気に使われるため、1日のうちに何度も同じ言葉に出くわす。1画面のうちに複数回同じ言葉が出現することさえある。つまり、テレビなどに比べ、短時間に同じ言葉に出会う確率が高い。
同じ言葉を連日目にしていれば、流行り言葉はあっという間に鮮度を失うのだ。