社会

女性の政治参加を阻害する、女性議員に対する有権者・支援者からの日常的なセクハラ

【この記事のキーワード】
【完成】女性の政治参加を阻害する、女性議員に対する有権者・支援者からの日常的なセクハラの画像1

Getty Imagesより

 4月に行われた統一地方選挙で女性の市議選当選者が過去最多となった。女性の政治参加がようやく進み始めたことへの希望につながるが、一方で、5月16日放送『スッキリ』(日本テレビ系)の報じた「票ハラ」の実態はあまりにも絶望的だった。

 票ハラとは、議員が有権者や後援者から受けるハラスメントのこと。『スッキリ』では、実際に票ハラの被害に遭った女性議員たちがその実態を告発していた。

 たとえば、町田市議の東友美氏は選挙期間中の街頭演説で、有権者との握手に応じたら手を撫で回され、腋まで触られ、挙句の果てには抱きつかれるなどといったことが1度や2度ではなかったという。

 ハラスメントは支援者からもあった。当選後、支援者のひとりから連絡があり、「全然俺に会いに来ないじゃないか。お前はスケジュールの管理ができないダメなやつだ。俺が私設秘書になってやるよ。だからお前が1週間ごとのスケジュールを俺に送れ」と言われたという。

 あまりに横暴な言い分だが、要するにこの支援者は東氏との関係性を恋愛に発展させたいだけであり、案の定、飲みの席では<結婚して自分の子どもを産め>と迫ってきたという。

 港区議の柳澤亜紀氏が語る被害もあまりにひどい。街頭演説では有権者から<あー、可愛いねー。その顔と胸で票をとってるんだねー。その胸には港区民の夢がいっぱい詰まってるなー>と声をかけられたという。

 柳澤氏の場合も支援者からのハラスメントがあった。彼女はシングルマザーだが、「紹介したい人がいる」と言われた際、子どもがいることを伝えると、その話はなしになってしまったという。その出来事を振り返り、柳澤氏は<そもそも女性をなんだと思っているのみたいな。子どもいるなしで応援するとか応援しないとか>と憤る。

 ハラスメント被害は議員になった後も続く。子どもがいるため夜の会合に出席できないことを伝えると「子ども置いてこれないのか」と言われ、子どもを連れて行ったら連れて行ったで、今度は「こんなところに子ども連れてくるのはかわいそう」と言われたのだ。

 また、身の危険すら感じることもあったという。娘の保育園を探し出して待ち伏せしている男がいたり、ストーカーまがいの被害を受けて引っ越しを余儀なくされたりと、次々に危険が襲う。庁舎内にも嫌がらせをする人物がいたのか、登庁・退庁を示すボードに「売春」という落書きをされたこともあったそうだ。

 今年4月の選挙で当選した渋谷区議の橋本侑樹氏も被害を語る。彼女も街頭演説中に腕を引っ張って性的な行為を迫ってきた有権者に出くわしたという。

 しかし、そんな振る舞いに彼女はやんわりとした拒絶しかできなかった。それは、ここで強く出たら1票を失ってしまうかもしれないという恐れがあるからだ。

 先に出た柳澤氏もシングルマザーの一件があった際、<期待してくれている方もいるから、その方のためにもこれぐらいは我慢しなきゃいけない。落ちてしまったらなにもできなくなってしまう>と、胸におさめてしまったという。

 こういった候補者の弱い立場を有権者や支援者が利用することで票ハラは起きている。『スッキリ』のなかで東氏は悲痛な表情でこのように語っていた。

<もっと声をあげる議員が増えるのも大事だと思います。『私たちは困っているし、あなたたちのお酌をするために議員になっているわけではないし』っていうことを世の中に広く発信していくべきじゃないかなって>

1 2

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。