女性の政治参加を阻害する、女性議員に対する有権者・支援者からの日常的なセクハラ

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ハラスメントで政治家としての道を諦める女性たち

 この言葉は重い。というのも、「AERA」(朝日新聞出版)2019年2月11日号によると、2011年の統一地方選で誕生した20~30代の女性議員のうち35%が2期目の出馬を断念したというのだ。

 実際、『スッキリ』のなかでも、東氏は<そんなことが頻発していたら、女性議員だって続けたくなくなってしまいますよね>と語り、柳澤氏も<議員やめたいな。続けるのつらいなと思ってしまった>と、これまでの議員生活で感じた胸のうちを語っている。

 これでは、女性の政治参加が進むわけがない。こういった状況を改善するには、東氏の言う通り、もっと声をあげる女性議員が増えることも必要だろうし、多くの人がこの現状を認識することも大切だろう。

 また、柳澤亜紀氏は放送後にブログを更新し、取材を受けるにあたって葛藤があったことを綴っている。

<内容が内容なだけに、告知するのも勇気がいって、親にも言えていなくて…。
というのも、応援者や親に、「こんなこと言われているの!?」「されているの!?」「(過去の騒動を知っている方からは)出ちゃって大丈夫ですか?」と心配をいただいたり、知らない方には自分がこんな目に遭っているというのを知られるのも情けないようで嫌でしたし、また、応援者以外からの、「こんな発言をして!!」とか「ダメだよ!」とか「今からでも放送中止を申し入れて!」などの、周囲から何かしらハレーションが起きることも嫌だった。実際、取材から放送までの間も「言わない方が」とか「余計問題になるかもよ」と多少の圧力のようなものを感じる瞬間もありました>

 こうした現状を前に、『スッキリ』MCの加藤浩次は、政治家の支援者となっていることの多い「地方の名士」といった立場の男たちに対して声をあげることが必要だと明言した。

<それ切り崩すためには、女性議員に毅然とした立場をとりなさいっていうことでは僕はないと思っていて。その名士のことを黙認せずに、『それやめてください、おかしいですよ』って全員が言ったらできるんだけど、その名士にぶら下がっていて得しているような男も半分以上いるからそういうことになるわけでしょう?>

 票ハラの問題は単なる女性差別だけではなく、権力層への「忖度」など、様々な問題を内包している。このことは社会全体の問題として広く認識されるべきである。

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