「狂犬病」発症後の死亡率はほぼ100% 発生地域への渡航の際は予防接種を

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「Getty Images」より

 今年5月6日、ノルウェー人女性ビルギッタ・カレスタッドさんが「狂犬病」で亡くなった。享年24歳。ノルウェーで狂犬病の発病が確認されたのは1815年以来のことで、狂犬病が原因で亡くなったのは史上初めてのことであった。なぜ彼女は先進国ではほぼ撲滅された狂犬病という病気で亡くなってしまったのだろうか。

 アメリカのニュースサイトHeavy.comによると事件の詳細は次の通りだ。

 彼女は友人と共に2月に休暇でフィリピンを訪れた。友人とモペット(ペダルつきのオートバイ)に乗って移動している途中、彼女は子犬を発見。宿泊先であるリゾート施設に連れ帰り、体を洗ってあげたり、食事を与えたりと世話をした。しかし子犬に指を噛まれてしまう。それは彼女にとって取るに足らない小さな傷であったようで、患部を軽く殺菌しただけで帰国の途についた。

 ノルウェーに帰国してからの数週間はなんの症状も現れなかったが、後に彼女は気分の悪さを訴えるようになる。診察をした医師は隣国であるスウェーデン公衆衛生局に血液サンプルを送付、5月4日にようやく狂犬病ウイルスに感染したことを確認した。それから2日後の5月6日、彼女は勤務先の病院の集中治療室で家族に看取られながら亡くなった。

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