より高まる新幹線の重要性
なるほど、リニア中央新幹線が開通すれば、単に便利になるといったレベルではなく、スーパー・メガリージョンの誕生というインパクトが予想されているとわかった。
では、併走している東海道新幹線はどうなるのだろうか。実は東海道新幹線は開通してからすでに半世紀を超え、経年劣化が進んでいる。また、南海トラフ巨大地震が起きた場合、もろに影響を受けてしまう地域を走っている。リニア中央新幹線が急がれている背景には、この東海道新幹線の大規模修繕工事を行いやすくする代替交通手段としての役割や、南海トラフ巨大地震が起きた際のバックアップ輸送システムとしての役割が期待されていることもあるのだ。
そのためリニア中央新幹線は、南海トラフ巨大地震が発生しても影響が少ないだろうとみられている内陸部を通り、地震に強いトンネル区間を多くしているという。東海道新幹線の利用者がリニア中央新幹線にシフトすれば、短時間で東京〜大阪間を移動する需要が東海道新幹線からは減少するだろう。すると停車駅の少ない「のぞみ」を減らすことができる。
その代わりに、停車駅が多い「ひかり」や「こだま」の運行本数を増やせることになる。つまり、東海道新幹線はどちらかというと観光路線に変わる可能性もあるのだ。一方、東海道以外の新幹線は、リニア中央新幹線で移動した後の、そこから先の移動手段として重要になってくる。そのため、リニア中央新幹線の延伸後の終点である新大阪駅では、北陸新幹線の乗り入れや山陽新幹線のホームの増設が検討されている。