超伝導リニアができても進められる次世代新幹線の開発
このように、リニア中央新幹線が開通することで、新幹線の重要性はかえって増すことになる。そのため、超伝導リニアの実用化が進んでいる一方で、新幹線の高速化も進められているのだ。
今年(2019年)中に走行試験が行われる次世代新幹線「ALFA-X」は、時速360kmでの営業運転を目指している。ALFA-Xで特に必要とされる技術は、速度を上げること以上に素早く停止できる技術だという。これは地震発生時などの緊急事態を想定しており、屋根に空力抵抗版が飛び出したり、レールに電磁石で吸い付くなどの仕組みが導入されるようだ。
本稿執筆中の5月15日に、盛岡駅でALFA-Xの発着場面が報道関係者らに公開された。この車両は東北新幹線で年間最大約70日程度の試験走行を予定している。特にALFA-Xが高速化される背景には、北海道新幹線の札幌までの延伸があるようだ。羽田空港へのアクセスが悪い埼玉以北での航空機に対する新幹線の優位性を狙って、速度を上げる必要があるためだ。
スーパー・メガリージョンは困難の先にある
ただ、現実には工事が遅れており、27年以内に品川〜名古屋間が開通できるかどうかわからない状況だ。特に南アルプス直下のトンネルについては、大井川の水量問題の解決が困難な状況だ。スーパー・メガリージョンが誕生するまでには、まだまだ多くの課題を克服していかなければならない。