内定辞退マナーなど言語道断、破綻しつつある新卒一括採用と終身雇用の構造

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そもそも内定が早すぎるから逃げられるのだ

 考えてみると、そもそも内定辞退などという問題が起きるのは、内定から入社まで数カ月間あいているからだろう。採用を決めたら「じゃあ明日から来て」というしくみであれば、辞退の問題はほとんどなくなるはずだ。つまり、企業が内定を出すのが早すぎるわけだ。

 となれば、「直接断りにこい」などという謎マナー以前に、企業にはやれることがある。文字通り「明日から来て」をやればいいのだ。インターンシップという手もあるが、就活者を囲い込むという意図なら、むしろ採用したいと思う就活者には内定ではなく、正式の決定を出すほうが望ましいだろう。決定から間をおかず、試用期間を開始するということだ。実際に働いてもらう以上、給料や福利厚生も当然(その職務や労働条件に応じて)あってしかるべきだ。

 インターンシップについては、就活の長期化を防ぐため、日本では採用に直結させてはならないことになっている。内定したらすぐに試用期間というのも同じ問題があるように思われなくもないが、むしろ話は逆だ。採用した就活者が在学中であることを承知で採用するのであれば、学業に支障のないように出勤日や時間を配慮するのは雇用者として当然の義務だろう。

 就活者は大学生であっても卒業必要単位の多くを取り終わっていることが少なくないし(まだたくさん残っているようならむしろ卒業できるかどうかを心配すべきだ)、アルバイトをしている者も多いから、適切な配慮を行えば非現実的ではない。また、予定された時期に卒業できなかったら取り消しという扱いは信義に反するというべきだ。卒業が遅れるかもしれないリスクを承知の上で採用を決定し職務命令を出したのは企業の責任であり、その結果生じた不都合の責任を学生に押しつけるのは適切ではない。

 それが嫌なら、就活を卒業後、もしくは少なくとも卒業確定後まで遅らせるようなしくみにすればよい。卒業が確定していれば、採用予定だったのに卒業できないというリスクはなくなる。最近はとんと聞かなくなったが、一時期ギャップイヤー導入論がさかんに唱えられた。大学卒業後をギャップイヤーとしてその間に就活なり留学なりボランティアなり、いろいろな経験を積んでから社会に出ると考えれば、それほど突拍子もない話ではないように思う。

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