相談の結果、資産は証券会社の口座からネット証券に移し、NISA口座を優先的に使って毎年、少しずつ運用をしていくことにしました。その他の当分使わないお金は、個人向け国債変動金利型10年満期(変動10)を買うことにしました。
銀行も、1行1000万円までにして分散しました。これは、金融機関が破綻した場合、1金融機関1預金者あたりの元本1000万円までとその利息等が保護の対象となるためです(ペイオフ)。さらに、銀行からのセールスを避けるためです。
そして、私が今後定期的に資産運用の相談にのるにあたっての条件を出しました。それは、今近づいてきている人だけではなく、私以外のすべてのファイナンシャルプランナー(以下、FP)、インディペンデント・ファイナンシャル・アドバイザー(IFA)、銀行等の担当者、生命保険会社のライフプランナー、証券会社のセールスマンなど誰にも会わない、話を聞かないということです。つまり、「人のリスク」を一切排除しようとしたのです。
金融商品を販売している人は基本的に「販売員」です。お金の悩みを解決してくれるアドバイザーではありません。彼らは金融機関から得る給料や手数料などのコミッションが収入源です。顧客の最善の利益のためだけに働くのではなく、営業をしています。ここを理解しましょう。
この約束を守れるということで彼女の相談にのり、3回コンサルティングをしました。今では、ご自身で資産管理と資産運用をしています。もちろん、パートも始めました。
年収400万円だから関係ない?
さて、それはお金持ちの人の話だから関係ないと思っているあなた。いえいえ、安心してはいけません。年収400〜500万円のごく標準的な会社員でも、生命保険と不動産投資は、声をかけられる人が特に多いのです。大学時代の先輩や友人、元バイト仲間などから、または、彼らからの紹介でつながった人からの営業です。心当たりがある人もいるのではないでしょうか。
たとえ大金を持っていなくとも、この先働く期間が長いみなさんは、美味しいカモです。最近かなり売れている、運用を目的とした外貨建て保険や、医療や死亡などの保障を目的とした生命保険は、長期の契約です。月々の保険料を何十年も払い続けてくれるみなさんはありがたい存在なのです。また、不動産投資だって、みなさんが借金を抱えた上に、空室リスクなどすべてのリスクをとってくれているので、売るほうは売れるだけ売りたいと思っています。
結論。年収1000万円の人も年収400万円の人も、排除すべきは「人のリスク」です。美味しい話はありません。ローリスクハイリターンはありませんが、ハイリスクローリターンは存在します。つまり、手数料(人の儲け分)だけはしっかり取られて、リターンは阻害されるということです。お気をつけてください。
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