資産形成に成功する秘訣は昔から同じ
実はこの法則は、はるか昔から何も変わっていない。
明治から大正時代の学者で、日比谷公園を設計したことでも知られる本多静六という人物がいる。彼は大学教授というサラリーマンの立場で貯蓄と投資を続け、今の金額に換算して億単位の資産形成に成功。研究の傍ら、マネー本をたくさん執筆するなどマネー作家としても活躍した。本多氏の著作は、近代日本におけるマネー本の原点ともいえるが、その本多氏が何度も繰り返し主張しているのが「強制貯蓄と投資の継続」であった。
つまり、いつの時代であっても資産形成の本質は何も変わっておらず、その本質的な情報にたどり着くのはいとも簡単なのである。成否を分けるのは、それを実践できるかできないのかの違いでしかない。
マスメディアの報道を情報源として活用する際にも同じようなことが言える。多くの人が、「マスメディアは報道すべきことを報道していない」と批判しており、ツイッターやブログなどでも同様の主張を多く見かけるが、こうした主張の9割以上が間違っている。
筆者は職業柄、昔から報道をつぶさに見る立場にあったが、多くの人が「報道されていない」と主張している話のほとんどは報道されている。目を引く見出しになっていないといった理由で、その人が報道されていることを認識していないだけである。
こうした重要情報は、必ずしも大きな扱いになっているとは限らない。ベタ記事であったり、コラムの中に紛れ込んでいたり、一見すると下世話に見える週刊誌の記事の中にあったりする。スキャンダルばかり書く週刊誌であっても、記事はプロの記者が書いているので事実(ファクト)と推測はしっかり書き分けられている。
つまりあらゆる報道をマメに見るクセさえあれば、そして、記事を読み解くちょっとしたリテラシーさえあれば、必要な情報のほとんどは公開情報から入手できると思ってよいのだ。