フリースクールに通うのはわずか2~3% 不登校の受け皿が抱える問題と改善すべき点とは

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――公立の小中学校だと給食費や教材費はあっても月謝は必要ありませんよね。

石井 義務教育はタダとよく言われますが、実際は公的支援によって賄われています。子ども1人あたりにかけられる税金は、小学生だと年間80万円、中学校だと年間100万円ほど。そういう意味では私立よりもお金がかけられているし、学校に行っていない子の分も発生します。つまり親御さんは、自分の子が不登校になりフリースクールに通うことになると、公立の学校の税金を負担しながら、フリースクールの月謝を払わなければならない。二重の負担になっているわけです。

――いわゆるコストパフォーマンスだけを見れば、学校に通ったほうがよいわけですね。しかし実際にフリースクールに通っている子どもたちはどのような意義を感じているのでしょうか。

石井 子どもたちに聞くと「自分の居場所だと思える」とか「楽しい」とかですね。不登校を背景にしている子が多いので「やっとこの場所で笑えるようになった」「自分が学校に行かなくても大丈夫だと思えるようになった」という声もあります。実際に通っている子は、フリースクールの意義を感じている子のほうが多い。また、フリースクールは「通いたい時に通う」のがほぼ原則なので、毎日は来ない子もいます。

――石井さんご自身もフリースクールに通った経験をお持ちですよね。

石井 私は町田市出身ですが、家から駅が遠かったこともあり、都内のフリースクールには1時間半かけて通っていました。もっと遠い子は長野や静岡からも通っていましたね。当時はフリースクールの数が今より少なかったのもありますが、やっぱり、自分がいられる場所が欲しいから通っていました。

――距離があっても行きたい場所になるんですね。逆に学校は、学校が嫌いな子でも通わなければいけない場所になっている側面があります。その違いは、子どもたちにとって大きい気がします。

石井 当時、私は家から徒歩15分の学校には通えませんでしたが、通いたい場所には1時間半かけても通いました。子どもが通いたい場所を作れば、子どもは通ってきます。逆に、通いたくない学校に無理やり通うというのは、相当なストレスが溜まります。会社なら転職できますが、子どもは転職もないし有給休暇もない。休んだら自分の責任でリカバリーしなければならず、結構ブラック企業です。

――とはいえ、実際にフリースクールに通っているのは不登校全体の2~3%だけ。より多くの不登校の子どもたちがフリースクールに通えるようにするためには、何が必要なのでしょうか。

石井 ソフト面、ハード面どちらも整えていくことが必要になります。そのひとつとして、「教育支援センター」の問題があります。全自治体の半分が設置している、不登校の子たちの居場所なのですが、実は子どもたちからの評判が良くない。何が一番悪い印象を与えているかというと、「学校復帰」が目的となっている点です。

文科省の方針は変わったにも関わらず、教育支援センターの方針は今でも学校に戻すことを前提にしたまま。学校が辛い子たちを学校に行かせようとする施設など、人気があるわけありません。姑に会いたくないから離れて暮らしているのに姑との同居を勧めるようなもので、たまったものじゃない。

学校復帰が目的という前提を変えて、不登校支援の経験値が高い民間のフリースクールに委託し、実際に子どもに求められる場、不登校の子が安心して通える場所を増やしていくことが望まれます。

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