コンビニで大人気の「名店再現系カップラーメン」、商品開発の裏側

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 最も気になるのは、カップラーメンというシンプルな状態でいかに名店の味を再現するかという、知られざる苦悩だ。山路氏の商品開発体験を踏まえて教えてもらった。

「商品開発上の制約という意味では、原価が全てでしょう。商品開発は、形状や販売価格などがすでに決まった状態で進んでいくため、素材にかけられる原価には上限があります。麺にこだわればスープのクオリティを下げざるを得ませんし、麺とスープに特化するなら代わりに具は諦めるなど、原価をいかにバランスよく配分して具現化するか、ここが難しいところです。

 さらにいえば、商品の発売日もあらかじめ決まっていますので、開発の追い込み段階では、メーカーと試作品のやり取りをする時間の余裕がなくなってくることも……。私自身、メーカーの開発室まで直接足を運び、その場で何度も作り直しをして、ギリギリ完成にこぎつけたという経験がありますね。

 ほかには、メーカーの担当者が『ベースのエキスはこれ』『フレーバーはあれ』などと無意識に決めつけており、それが商品のオリジナリティの妨げになってしまっていることもありました。そうした誤解を見つけて取り除いて、理想形に近づけていくというのも、開発するうえで大変な部分です」(山路氏)

 名店再現系カップラーメンは、お店の全面協力だけではなく、各担当者が並々ならぬ努力を重ねて商品化しているようだ。こうした苦労を知ったうえで食べる一杯は、より味わい深く感じられるかもしれない。

(文=宮元大地/A4studio)

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山路 力也(やまじ・りきや)
フードジャーナリスト/ラーメン評論家/かき氷評論家。

「作り手の顔が見える料理」を愛し「その料理が美味しい理由」を常に考えながら、テレビ・雑誌・ウェブなど様々な媒体で活動中。HP /ブログtwitter

 

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