弘中綾香アナ、過剰な報道・ゴシップに反論 「負のロールモデル」を拒絶する女性アナウンサーたち

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 とはいえ宇垣アナも、入社当時は先輩アナウンサーにどこで服を買っているか質問して合わせたり、「あなたは笑っているだけでいい」というスタッフの失礼な指示に従っていたという。

 これまで受けてきた複数のインタビューのなかで宇垣アナは、その頃の自分の行動を「擬態」と表現している。世間が「女性アナウンサー」という立ち位置に求めるものに敢えてなりきっていたわけだ。

 しかし、「お人形」でしかない役割にストレスを感じ始めたのと同時に、共演者から「台本通りにやっているからつまらないんだ」と言われたことに怒りを感じ台本を捨てて番組に臨んだらのびのびと仕事ができた成功体験などが重なり、宇垣アナは「擬態」をやめたという。

 そして、『アフター6ジャンクション』(TBSラジオ)や、『サンデー・ジャポン』(TBS)といった番組を通じ、“自分自身を表現すること”を評価されるようになって、決定的に仕事への向き合い方が変化した。そしてそれが、TBS退社のきっかけにもつながってくるという。彼女はエッセイ集『風をたべる』(集英社)でこのように綴っている。

<特に2018年の変化というものはすさまじく、ある意味ふっきれて、仕事に対するスタンスが変わりました。
「私の人生なんだから、私がやりたいことをしよう! 自分の選んだ言葉だけを口にするんだ。できないことをできるふりして、無理するのもやーめた!」>

 女性アナウンサーはこれまで「進行役の男性MCの横にいて頷いているだけの人」「スタジオの見た目を華やかにする職場の華」といった立場を背負わされ、彼女たち自身も「負のロールモデル」としての立場を受け入れざるを得なかった。

 報道番組でさえその要素はしつこく蔓延っており、ましてバラエティ番組の世界ではまだまだその傾向が色濃く残っている。

 しかし、弘中アナや宇垣アナのような存在が(現状では異色扱いされるとしても)世に出て、さらに、世間の支持を集めているという状況は、この社会もわずかではあるが確実に1歩ずつ歩みを進めていることの証左でもあるだろう。

 2人だけに限らず、がんがん自己主張する女性アナウンサーがもっと増えてもいいはずだ。彼女たちがテレビで示すコミュニケーションのあり方は、市井の人々のコミュニケーションのあり方に多大な影響を及ぼす。だからこそ彼女たちの行動や態度は、社会を変える大きな一助となる。

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