
それぞれの抱っこ。撮影:山田ノジル
粉ミルクや紙おむつ、幼児向けの動画etc.子育てに便利な「新顔」には、だいたい決まっていちゃもんが発生します。その多くは「よくわからない悪影響が怖い」と「昔からやっていたもののほうが安心」という理由のセットですが、その陰に「便利なものを使うとツケがくる」という脅し&呪いが潜んでいます。
たとえば紙おむつなら、石油からできているから体と環境に悪影響! 高機能すぎて汚れても取り換えなくなると、おしっこがたまって重くなり、赤ちゃんの歩行を妨げる可能性がないともいえないなんて記事もありました。粉ミルクならアレルギーや発達障害の危険性をほのめかし、レトルトフードは添加物や遺伝子組換え食品などを問題視。時短テクを取り入れれば、電子レンジは電磁波が怖い。スマホなどで動画を見せれば、子供の言語発達が妨げられ親子のコミュニケーションが阻害される、だそーです。今年に入り日本でようやく液体ミルクが販売され始めたときなどは、「液体ミルクだぁ?てめぇらの乳房はなんのためにあるんだよ」なんて呆れた罵倒まで飛び出していましたね。
人気の抱っこ紐を全否定!
あーはいはい、育児は母親だけが血反吐をはきながら、無限に手間暇かけるべきなんですよねー。伝統的な子育てサイコー! ってハズもなく、因果関係のよくわからない心配事より快適さを優先したいわー。
今回のお題は、そんな呪いを発動しているアイテムのひとつとしての、「抱っこ紐」です。
抱っこ紐は赤ちゃん連れの外出や、寝かしつけ、あやすシーンなどをサポートしてくれる育児グッズです。一枚布タイプのスリングや昔ながらの紐タイプなどさまざまなタイプがありますが、ここ最近はあらかじめ形が形成されているストラクチャータイプが流行。エルゴベビー(以下、エルゴ)というブランドの抱っこ紐に代表されるように、アウトドア系リュックのような肩紐と腰ベルトが特徴で、赤ちゃんの体重が肩と腰へ分散されるので体が楽。
また、両手が空くので、何をするにもかなり助かります。ところが、この抱っこ紐を問題視する動きが異界の片隅で発生中。「子どもが健やかに成長するためには、親の便利さよりも昔ながらの(デター)やり方が正しい」というのです。