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椎名林檎がデビュー直後に受けた屈辱「水着を着てきてほしい」

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 たしかに2008年リリースのアルバム『私と放電』(初回限定版)では、広く背中の開いたドレス姿の椎名がスタンガンを持っているクールな写真がジャケットに使われている。

 椎名林檎の「強さ」の表現は年を追うごとに過激化。2017年リリースのアルバム『逆輸入 〜港湾局〜』では、積み上がったコンテナと同じ背丈ぐらいまで巨大化した花魁姿の椎名が港湾地域に佇む。その「やり過ぎな感じ」はケンタウロス姿になった『三毒史』にも通じる。椎名自身、そのトゥーマッチ感は自覚しているようだ。『COUNT DOWN TV』ではこんな発言もしていた。

<客観的に見ると愚かさですよね。やっぱりこれ。エスカレートしちゃって。(バカしてくる)相手のレベルに合わせて、『そういうふうに疑うんだったらこっちだって!』みたいな。マッチョイズム。虚勢の張り方ですもんね。鎧着たりとか>

「男性に対してはおよそ腹立たしさしかない」

 「Lips」(マガジンハウス)2011年8月号のなかで椎名は、<女性って20代までは大変ですよね><意中の男性とかクライアントとか対象あっての存在という感じがするでしょう。『それやったらモテなくなるよ』みたいな情報に縛られて消耗してしまったり、正直で居られなくなる>としたうえで、<本来、女性は誰もが変幻自在な存在だと思うんです。自分次第で何者にもなれるはずなのに、社会だったり男性の目線だったり、余計なことに捕らわれて不自由になりがち。それはもったいないと思う>と語ったことがある。

 また、『Mother』(日本テレビ系)、『Woman』(日本テレビ系)、『カルテット』(フジテレビ系)、『anone』(日本テレビ系)といった作品でおなじみの脚本家の坂元裕二による本『脚本家 坂元裕二』(2018年出版/ギャンビット)におさめられた坂本と椎名の往復書簡で、<椎名さんは創作の時、誰かに届けるという感覚があったり、特定の人を想定されるなどしますか>と質問を受けた椎名は、こんな答えを返している。

<たかだか三分ほどの曲でもそうですし、五十分のアルバムでも、九十分のステージでも同じです。「たった今こういう気分の女の子のために」と用意します。そうそう思い浮かべるのは決まって女性です。男性に対してはおよそ腹立たしさしかない。それは女性を瞬間的にブスにするのが必ず男性だからでしょうね>

 椎名が「男性に対してはおよそ腹立たしさしかない」と言い切るに至った理由のひとつに、デビュー時の屈辱的な体験があることは確かだろう。当時、彼女を侮辱したメディア関係者たちは、恥を知ったほうがいい。

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