社会

川崎登戸殺傷事件で「犯人は日本人か?」「実名報道しない局が…」一人歩きするヘイトデマ

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「Getty Images」より

 5月28日朝、神奈川県川崎市の登戸駅付近の路上で、スクールバスを待っていた小学生ら16人が男に次々と刺される事件が起こった。この事件で小学6年生の女児と39歳男性が死亡。刺した男も自らの首付近を切り、死亡している。

 犯人は所持品などから麻生区に住む51歳の男と見られているが、その氏名が明かされないことに対してインターネット上では「日本人ではないんじゃないか」という憶測を書き込むユーザーが後を絶たない。犯人の国籍云々を問うwebニュースメディアさえある。

 Twitterから一部を引用する。

<生粋の日本人か?>
<日本人の感性ではありえない>
<日本人じゃ無い事祈る>
<某国の国籍との情報>
<犯人の本名を実名報道しない局が出てくる可能性あり>

 残忍な事件が発生するたびにネットに現れる光景だが、紛れもないレイシズムだ。それをわざと煽る一部の「まとめ」サイトやwebメディアも、何をしているか自覚がないのだろうか。

 また「川崎は治安が悪い」という言説も一人歩きしている。さらに「安倍晋三の政治が悪いからおかしな事件が起きる」と関連付け、現政権批判に勤しむネットユーザーも少なくない。いずれもこの事件を自分にとって愉快であるように消費しようとしているだけではないか。それも発生からたった半日で。

 犯人は死亡したが事件の背景など全容解明が必要である。偏見と差別意識をネットの海にまき散らすことは、その邪魔にしかならない。

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