生活保護22万円に「ずるい」の批判が続出、問題は働いても満足な給料がもらえないことではないか

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 それを聞いていたアンミカは、ゆうたさんを<甘い>と指摘し、持論を展開する。

<私はずっと中学も高校も新聞配達をして学校に行って、自分の家族も養ってきたし。言い訳して、健康だったらできないことなんてないの>

<あなた今友達に、「自分生活保護受けて、こんな健康やねんけど家族養ってるねん」って言える? そういう目に見えないあなたの人間としての価値が損なわれていることに気づかないといけない。社会の信頼も失っているしあなた自身の信頼も奥様から失われている。あと、あなたの尊厳というものも失われているよ。とっても恥ずかしいことだって思わないと>

 宍戸開は<あと、子どもはやっぱりまっすぐ育てたいでしょ? そしたらやっぱり自分たちもまっすぐ生きなきゃ。ほんとちっちゃいことから積み重ね、もうトライしていくしかないよね>と叱咤激励した。

 加藤浩次は次のように演説した。

<失敗なんて別に恥ずかしいことでも何でもない。明日からでもバイト先探したら、近所でも日雇いでもいい、何でもいいから、まず働こう。そこをやってかないとずーっとこの生活続くよ。一生懸命やってれば見ている人間絶対いるから。そしたらあなたという人生の選択肢がどんどんどんどん開かれていくから。そしたらそれを子どもが見ているから。お父さんの背中っていうのを見ているから。そしたら子どもも間違った道に行かない。そういうことなんだよ。そういう連鎖をあなたで断ち切ろう!>

 加藤の演説にゆうたさんは涙して、さおりさんに<明日にでも、今日帰ったらバイトをある程度探して、見つけたところができればだけど、面接に行ってくる>と伝え、さおりさんは<やるって言ったんだったら信じるから。明日からでも、今日の夜探すんだったらそれも手伝いもするから>と受け入れた。最後は、スタジオの面々も<21歳、まだまだこれから>と励ましていた。

 その後ゆうたさんは、月給18万円で正社員になれるチャンスもあるイベントスタッフの仕事の面接を受け、採用されたという。

 番組の視聴者からも出演者同様、「必死で働いても22万円もらえない人もいるのに」「病気でもないのに生活保護もらえるなんてずるい」「甘えてる」という意見が続出している。しかしなぜ番組では、ひとりの大人がフルタイムで働いても「自分ひとり暮らしていくのに精一杯」「家族を養えない」ような給与しか得られない社会構造や、20代の若者に対する就職支援の不十分について、誰も意見を述べなかったのだろうか。

 片岡夫妻を批判したところで、みなの生活が楽になるわけではない。「生活保護を需給しながらゲーム三昧の生活をしている」と強調する番組の構造は、働く人々の怒りを増幅させ、生活保護受給者への偏見を助長させてしまったのではないかと懸念される。

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