政治・社会

大坂なおみナイキCM「日本語で答えてください」 ありえない質問を繰り返すメディアへの鋭い皮肉

【この記事のキーワード】

ナイキの広告は社会問題をテーマにしてきた

 ナイキのテレビCMには、「スポーツ」を通じて社会批評のメッセージを込めたものが多い。

 ここ最近で最も有名なものは、アメフト選手のコリン・キャパニックを起用したものだろう。

 コリン・キャパニック選手は警官による有色人種への差別的な暴力に抗議し、国歌斉唱時に膝をついて抗議したことが社会的な議論を巻き起こした。その結果、NFLから締め出されてどこのチームとも契約ができなくなったとして訴訟を起こしている(現在は和解)。

 昨年、ナイキはそんなコリン・キャパニック選手を起用した広告を展開。<Believe in something, even if it means sacrificing everything.(たとえそれがすべてを犠牲にすることを意味するとしても、なにかを信じろ)>というキャッチコピーは大きな話題を呼んだ。

 また、ナイキのテレビCMは、人種差別だけでなく、女性差別の問題にもスポットを当てている。

 テニスのセリーナ・ウィリアムズ選手をナレーションに起用した今年2月放送のCMでは、マラソン、バスケットボール、フェンシング、体操など、さまざまなジャンルのスポーツで草分けとなった女性アスリートの映像を用いながら、女性の権利を勝ち取るために戦った彼女たちの功績を讃えた。

 今回の大坂選手のCMもこういった流れにあるものだ。それは逆に言えば、ナイキの社会派CMのテーマになってしまうほど、日本のメディアによる質問はひどいということの裏返しでもある。

 このCMが流れることで、日本のメディアはこれまで大坂選手に投げかけてきた質問がいかに不適切だったかを受け止めざるを得ない。今後は少なくとも、「日本語で答えてください」という愚かな質問だけは、もう二度と飛ばないといいのだが。

1 2

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。