安全・安心な避妊は人として当然の権利 緊急避妊薬アクセス改善への提言

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「緊急避妊薬の安全で迅速なアクセスの確保」登壇者からの提言

 厚生労働省では緊急避妊薬の「オンライン診療」による処方を検討しており、「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」を数回開催し、議論してきた。検討会は31日、オンライン診療の解禁を認める方針を固めたが、ただし「性犯罪被害者に限る」「三週間後の婦人科受診を求める」などの条件を付与すべしとされており、ここにも違和感は強い。

 5月16日、緊急避妊薬の安全で迅速なアクセス確保を考える勉強会が、永田町にある衆議院議員第一議員会館で行われた。前出・染矢氏が司会を務めており、筆者も出席してきた。

 登壇者は産婦人科医2名(遠見才希子氏・対馬ルリ子氏)、「#なんでないのプロジェクト」代表の福田和子氏。「#なんでないのプロジェクト」とはスウェーデンの大学で性に関わる政策や社会状況を学んだ福田さんが、日本も性や避妊の話がタブーにならないようにしたいとの思いで立ち上げたプロジェクトだ。

 この会の最後に登壇者の方々が読み上げた「緊急避妊薬のアクセス改善に向けた緊急提言」がわかりやすいので、それを短くまとめておきたい。

提言1・すべての女性が安心して緊急避妊薬を服用できるように、初診対面診療の原則の例外としてのオンライン診療化が適切に実施されることを認めてほしい。

提言2・オンライン診療がまだ一般化していない現状をふまえ、全国の薬局で薬剤師による対面での緊急避妊薬の販売を認めてほしい。

※一部の医師はすでにオンライン診療を始めている。

提言3・緊急避妊薬の価格を下げてほしい。若年層を含めすべての女性には緊急避妊薬にアクセスする権利がある。

 そのほか、緊急避妊薬が適切かつ安全に使用されるための環境作りとして以下の議論もかわされた。

<女性が早急かつ安全に、安心して緊急避妊薬にアクセスすることができ、アフターケアを受けられる適切な体制を整備すること>

<性教育の充実を。すべての若者に義務教育段階で、避妊法および緊急避妊法、性感染症の予防、性と生殖に関する健康と権利などについて教育すること>

<低用量ピルや子宮内避妊システムなど女性主体の確実な避妊法に関しての価格の見直しや情報の周知>

 安全・安心な避妊は女性として、いや人として当然の権利だろう。

 会の最後には緊急避妊薬を求めたという女子大学生が、参加者全員の前で実体験を話してくれた。緊急避妊薬が必要となった直後の辛い思いと渦巻く不安、そして受診した婦人科医が彼女に放った心無い言葉……当時を思い出したのだろう、泣きじゃくりながらも緊急避妊薬の必要性について訴える彼女の言葉は胸に響くものがあった。この会には厚生労働省の職員や衆議院議員を含め130人が出席。大勢の人の前で辛い過去を語ってくれた彼女の勇気に敬意を表したい。

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