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桜田前五輪相「子どもを最低3人くらい産むように」発言の根深さ

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「Getty Images」より

 自民党の桜田義孝前五輪相が今月29日、千葉市で開かれた同党参議院議員の猪口邦子元少子化担当相のパーティーの挨拶で、「結婚しなくていいという女性がみるみる増えちゃった。お子さん、お孫さんにぜひ、子どもを最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」と述べた。同日夜、桜田氏は「子どもを安心して産み、育てやすい環境を作ることが重要だとの思いで発言した。それを押し付けたり、誰かを傷付けたりする意図はなかった」と釈明している。

 「子どもを安心して産み、育てやすい環境を作ることが重要」であることへの異論はないだろう。しかし桜田氏の「結婚しなくていいという女性がみるみる増えちゃった」「子どもを最低3人くらい産むようにお願いして」という言葉からは、未婚率の上昇や少子化の進行を“女性の問題”に置き換えているように映る。“子どもをたくさん産んでほしい”旨を述べて問題視され議論となったことのある政治家はこれまでにも多い。

 少子高齢化を食い止めることは日本にとって喫緊の課題。厚生労働省発表の人口動態統計によると、2016年の出生数は96万6979人で初めて100万人を切った。2017年の出生数は94万6060人。そして、昨年12月の推計では、2018年の出生数は92万1千人。この2~3年だけでも、年間に生まれる子どもの数は2~3万人ずつ減っている。合計特殊出生率は、2016年に1.44、2017年に1.43で、2年連続低下した。政府は2016年に、2025年度までに合計特殊出生率を1.8(出産希望の夫婦の希望がすべて叶った場合の推計)にすると目標を掲げている。

 昨年12月、全国の20~59歳の男女1万1889人に実施した内閣府の意識調査によると、政府の少子化対策への評価について、61.7%が「質・量ともに十分ではない」と回答している。「十分ではない」として挙げられているのは、質・量ともに1位が「待機児童の解消」、2位が「教育費負担の軽減」、3位が「結婚の経済的負担の軽減」。いずれも、個人の意思だけで解決できる類の問題ではない。

 保育園など子が幼い時期の社会的なサポートはもちろんのこと、経済的な面での負担軽減も大きな課題だ。子どもの成長に伴い出費は増える。東京地区私立大学教職員組合連合が実施した「私立大学新入生の家計負担調査 2018年度」の結果では、毎月の仕送り額は平均8万3100円で、家賃を差し引いた場合は平均2万300円、といずれも過去最低を記録。1日当たりに使える金額はわずか667円だ。

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