読売テレビ“人権侵害ロケ事件”は氷山の一角! 人権意識に欠ける関西ローカル番組の実態とは?

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『そこまで言って委員会NP』は低予算がもたらした問題番組

 また一方で、情報番組においても、人権を侵害するような発言や企画が展開されている。その急先鋒が、日曜のお昼に放送中の『そこまで言って委員会NP』(またしても、読売テレビ!)である。

 2002年、関西ローカルからスタートし、今では唯一関東地方だけネットしていない“関東圏外番組”を標榜する時事討論番組だ。故・やしきたかじんがメインMCを務めていた時代は高視聴率を連発していた人気番組で、橋下徹を大阪府知事に押し上げた立役者としても知られている。

 驚くべきは、番組自体が人権を侵すような制作姿勢を貫いていることだ。出演者の多くが、テレビでの発言の良し悪しを判断できるタレントではなく、テレビに慣れていないジャーナリストや大学教授であるため、言葉の端々に問題発言があるのは致し方がない。とはいえ、生放送ではないから編集ができるにもかかわらず、そのまま物議を醸す発言を放送してしまう。これは、意図的に人権を侵害しているといえるのではないか。

 あるときは、リベラル寄りの考えを“サヨクちゃん”と命名。いかにその考えが理想主義的でバカバカしいかをVTRで面白おかしく紹介していた。その興に乗じて、出演者たちは“左翼思想”を侮蔑に満ちた発言でバッシング! 公正中立が原則のテレビ業界のルールを無視し、ひとつの思想の存在を踏みにじる企画であった。

 別の回では、「放射線を浴びると妊娠しづらくなる」と紹介した後、とある男性出演者が、「男にとっては、良いことですよね(笑)」と発言。これをカットせず放送したことも信じ難いが、この発言に観客の笑いを被せ、スタジオ中が笑いに包まれたといった演出で放送してみせたのだ。女性の立場を無視する軽率な編集といえるだろう。

 他にも、数え上げればキリがない。中国の国民性を中傷する内容もあれば、共産党や女性の権利を守る団体の存在価値を小馬鹿にする内容まで、ここまで人権を軽んじる番組は稀であろう。T氏は、この番組について「低予算がもたらした、問題番組」と断じる。

 「具体的な費用はわかりませんが、やしきたかじんさんを起用していた大型番組とはいえ、番組内容を見る限り制作費はそれほど高くない印象です。その中で、あの制作チームが編み出した得策が、出演ギャラが安い文化人を揃えること。それと、必ず世間で議論が巻き起こる“保守系の論調を極める”ことでした。この2つがうまく混ざり合い、過去には視聴率20%を何度も叩き出す人気番組に成長したのです。今は当時のような勢いはありませんが、同時間帯の番組に比べれば合格点で、番組関連のDVDも売れている状況では、テレビ局も意見を言うことにためらってしまうでしょうね」

 過激さを追求しても全体として視聴率が低下している現状を見れば、視聴者もその内容に嫌気が差していると受け取れる。だからこそ、今一度、人権について正面から向き合い、“カネはないけど、知恵のしぼり方を変え”、新たな関西のテレビ文化を形作っていくべきではないだろうか。

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