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「ポケモンGO」から道案内アプリまで AR技術が日常生活に溶け込む日

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「Getty Images」より

 主にゴーグル型のデバイスを装着し、別世界に入り込んだような体感ができるVR(virtual reality/仮想現実)は、ここ数年で一気に浸透し、一般的な言葉となった。その人気は右肩上がりで、さまざまな専用デバイスが発売され、VR体験ができるアミューズメント施設も多数オープンしている。

 一方、VR人気に負けず劣らず注目を集めているのが、拡張現実を意味するAR(Augmented Reality)。コンピューターを利用して、現実空間の上に情報を表示するこの技術は、スマートフォンの普及とともに、多種多様なサービスが提供され始めている。

 AR技術の身近な活用例が、人気ゲームアプリ「ポケモンGO」だ。アプリを起動して、スマホ越しに世界を見れば、あたかもそこにポケモンが存在しているような体験ができるのである。

 また有名なものとしては、2017年にIKEAがAppleと共同開発したARアプリ「IKEA Place」も挙げられるだろう。これを使えば、机や椅子などの家具を、実際に部屋に置いた様子と限りなく近いビジュアルで見ることができ、商品の画像だけではわからないサイズ感や、部屋の雰囲気に合うかといったことを確かめられるのである。

 VRと比較すれば、やや地味な印象のあるARだが、実はすでに幅広く活用されており、またその技術は著しい進化を遂げているようだ。そこで今回は、ナレッジワークス株式会社にて、実際にAR技術の企画や開発に携わっている専門家であり、共著に『よくわかるAR〈拡張現実〉入門』(創元社)を持つ亀山悦治氏に、ARが用いられている最新事例やARの未来といった内容について話を伺った。

亀山 悦治(かめやま・えつじ)
ナレッジワークス株式会社取締役。2004年より、ナレッジワークス株式会社にてシステム開発や新規サービスの企画を担当。2009年より、同社でAR・MR・VRといった技術を使用したソリューションの開発、技術実用化のための企画・提案・開発を行っている。共著に、『よくわかるAR〈拡張現実〉入門』(創元社)がある。
ナレッジワークス株式会社

AR(拡張現実)は現実の世界にデジタルな情報を付加するもの

 まずはARの特性を知るためにも、VRとの違いを聞いていこう。

「VRにもさまざまなタイプがありますが、目の部分を覆い隠すヘッドマウントディスプレイタイプのデバイスが一般的で、最近ではゲーム機器としても発売されるほど普及しています。VRは仮想現実という意味ですが、目を密閉し見えている空間のすべてを、デジタルで作られた世界にしてしまうのが一番大きな特徴でしょう。仮想の世界に入ったような感覚のなかで、現実にはできないような体験をしたり、普段なら行けないような場所に行く体験ができたりします。

 対するARは、VRのような閉ざされた世界ではありません。実際に見えている世界にキャラクターが出たり、家具が配置できたりと、現実空間にデジタル情報を付加するというのが大きな違いとなります」(亀山氏)

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