社会

救急車は5秒に1回の頻度で出動 事件・事故現場で命を救う救急救命士らの活躍

【この記事のキーワード】
救急車は5秒に1回の頻度で出動 事件・事故現場で命を救う救急救命士らの活躍の画像1

「Getty Images」より

 4月19日、東京都豊島区東池袋でプリウスとゴミ収集車が衝突、2人が死亡し10人負傷する事故が発生した。そして、5月28日朝には、神奈川県川崎市多摩区登戸新町の小田急線登戸駅周辺で小学生ら19人が刺され、女児1人と39歳男性が死亡するという凄惨な事件が発生した。

 報道ではあまりフォーカスされない部分だが、現場の映像に必ず映りこんでいるのが、負傷者の救護にあたる救急隊員の姿だ。救急救命隊は365日24時間体制で日本の救急救命を支えている。

救急車は5秒に1回の頻度で出動

 2018年4月1日現在、消防庁の管轄下にあり、消防本部に所属する救命隊は全国 1719 市町村のうち 1690 市町村に配置され、5179 隊が配備されている。消防本部は各自治体の運用となっており、警察と同様に自治体を管轄区域としている。

 登戸で発生した小学生らの殺傷事件では、川崎市の消防局が救急救命活動にあたったが、横浜市の消防局からも救急隊が出動して協力している。このように、管轄区域は決まっているものの、大きな事件・事故の場合には管轄区域を越えて、柔軟な協力体制を敷く。

 全国の救急隊員数は6万2771 人で、このうち女性隊員は1304 人(2.1%)。救急隊員のうち、救急業務のみに専従している専任隊員は2万198人で、このうち女性隊員は789人(3.9%)となっている。また、消防職員のうち救急隊員の資格を有している職員は、12万4429人で、女性隊員は2950人(2.4%)だ。

 救急隊員の中でも、心肺停止を含む重症傷病者に対して救急救命処置の医療行為が行え、現場の救急救命の柱を担う「救急救命士」の資格を有する消防職員数は3万7143人で、救急隊員数は2万8482 人となっている。また、救急救命士として稼働しているのは2万6581人だ。

 かつて「救急隊員は医師でないため医療行為を行うことはできない」という法制度によって、日本の救命率は欧米諸国に比べ低かった。これが問題視されたことで、1991年4月23日に救急救命士法が制定された。救急救命処置は、救急救命士法第2条第1項によって<その症状が著しく悪化するおそれがあり、又はその生命が危険な状態にある傷病者(以下、重度傷病者)が病院又は診療所に搬送されるまでの間に、当該重度傷病者に対して行われる気道の確保、心拍の回復その他の処置であって、当該重度傷病者の症状の著しい悪化を防止し、又はその生命の危険を回避するために緊急に必要なもの>と定義されている。

 現在では、救急隊1隊(3人の救急隊員)のうち1人以上を救急救命士とすることが目標とされ、すでに全救急隊5179隊のうち5132 隊までがこの体制となっている。目標達成は目前だ。

 救急隊員が乗り込んで現場に急行する救急車は、全国に6329台(非常用を含む)ある。2017年に救急車が出動した回数は634万2147件で、搬送された人数は573万6086人に登った。これは救急出動件数、搬送人員ともに、過去最高を更新する数字だ。つまり、1日に約1万7376件も出動したことになり、救急車は5.0秒に1回の頻度で出動し、国民の22人に1人が搬送された計算となる。

1 2

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。