
「Getty Images」より
ビジネスパーソンにとって、避けては通れない「会議」。しかしながら、「会議」に関する悩み事は多い。
① (会議時間が)長い
② (会議の中身が)薄い
③ (会議で)何も決まらない
④ (会議で)何も発言がない
このような会議4大悩みにぶち当たっている方は多いであろう。上に掲げた4大悩みを打ち消す理想の会議は「短く濃い会議」である。
そこで、「会議前」「会議中」「会議後」と分けて、そのノウハウを解説していく。今回は、前回の「会議前」に続き、「会議中」に焦点を当てていこう。
「短く濃い会議」は、「目」で行う
会議で我々は。「耳」と「口」を常に働かせている。つまり、「耳」で聞いて、「口」で発言している。ところが、「短く濃い会議」は、実は「目」で行うのがポイントだ。言い換えれば、会議を「見える化」すれば、「短く濃い会議」に変貌する。
それはこんな理由から来ている。
会議の発言は、口にしたその瞬間から泡と消えてしまう。消えてしまっては見えない。発言が連続すれば、前の発言は上書きされて忘れ去られる。そのため、話が脱線して会議時間が延びてしまう、発言の流れがわかりにくいので、さらなる発言活性化が滞ることにつながってしまうのだ。
そこで、会議をどうやって「見える化」するのか、2つのポイントについてご紹介していこう。
1つ目のポイントは、開始30秒でゴールを決めろ! だ。

画:和田ラヂヲ/横田伊佐男著『ムダゼロ会議術』日経BP社 より
「会議」とかけて、「海外旅行」と解く。そのこころは? 両方とも、行き先を決めなければグダグダになる。
海外旅行に行く際、行き先を決めず、とりあえず空港に向かう人はまずいない。渡航先を決め、現地の気候を調べ、ビザや通貨を準備する。そうしなければ、限られた旅行の時間がムダになってしまうからだ。
会議も時間は限られている。それなのに行き先(ゴール)を決めず、いきなり「ヨーイドン!」と始めていないだろうか。会議のゴールを決めるとは、終了条件を決めることだ。「こうなったら会議は終了」という到達点が、会議のゴールである。
では、どうやって「見える化」していくのか?
それは、会議室にあるホワイトボード(なければA3用紙)に、「こうなったら会議は終了」を書き出し、参加者の同意を取り付けるだけで良い。
もう少し細かく設定するのであれば、以下のようにホワイトボード上段を使って、書いておけばいい。ものの1分で完成するはずだ。わずか1分の手間だが、話の脱線がなくなり、驚くほど「短く濃い会議」に変貌していく。是非お試しいただきたい。
会議は「拡散」と「収束」に分ける
次に会議進行の「見える化」についてのテクニックをお教えしよう。会議は、「拡散」と「収束」に分かれる。単純な話、この順番を知らない人が多い。
この順番通り、発言をホワイトボードに書き出していけばいい。
まず、広く多くの発言を促す「拡散」期。ここでは、発言を活性化させるため、ダメ出しをしてはいけない。“Never Say No(決して、否定するな)”の精神だ。

画:和田ラヂヲ/横田伊佐男著『ムダゼロ会議術』日経BP社 より
なぜなら、「拡散期」でNOが連発すると、発言しなくなるからだ。次に膨らんだ発言を絞り込む「収束」期。
ここでは、何かしらの基準を決め、上から優先順で並べる。「収束」において、発言を絞り込んだり並べ替えるには、アナログ的だが、付箋に勝るものはない。「拡散期」において、発言を付箋にしておくと、「収束期」がたちまちラクになる。
ビジネスパーソンが「会議」に費やす時間は膨大だが、反比例するように、その術を教わる時間はほぼない。だからこそ、シンプルなテクニックを知っているか知らないかで。大きな差が出てくる。
今回は、「会議中」にフォーカスしたが、次回は「会議後」の対策を紹介していく。
(本記事は、横田伊佐男著『ムダゼロ会議術』日経BP社の一部を転用しています)