脱退報道のSexy Zoneマリウス葉は、「アイドル」としてフェミニズムや多様性を社会に広めようとしている

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 「SPUR」(集英社)2019年6月号のインタビューで彼は<男性だけで何かをやろうとすると、考え方が凝り固まってしまうところがありますよね>としつつ、<僕は何かをするときは、必ず違う国の人や女性からアドバイスをもらうようにしています。内面的な悩みも、自分だけで考えていると、そのアングルからしかものが見えてこないでしょう? 僕はすぐに他の人に聞いてみます>と語っている。

 同インタビューでは、ニュースを<いろんな国のいろんな視野で見る>ため、スマートフォンに、ドイツ、イギリス、アメリカ、オーストラリアのニュースアプリを入れているという話もしていた。

 ある一定の属性の人だけで寄り集まっていると、個人の考え方も、組織自体の考え方も淀んでくる。だから、彼は積極的に様々な価値観をもつ人の意見を取り入れて、自分自身の頭のなかをアップデートしているのだ。

 マリウスはドイツで生まれ、10歳で来日するまでドイツで育っている。彼が社会的意識を高くもち、リベラルな考えをしているのは、そういった出自も大きいのではと短絡的に思ってしまいがちである。しかし、それは大きな間違いであるようだ。

 前掲「SPUR」でインタビュアーから<これだけのことを考えている19歳は、日本にはなかなかいないのでは>と質問を振られたマリウスは、<僕のように考えている人がいないわけじゃなくて、こういう話をできる場がないんじゃないかと思います>と述べている。

 社会的な意識をもち、現状に疑問をもっている若者はたくさんいるが、それを発信する習慣もなければ、それを受け入れる場も、現状の日本にはない。少しでもそういった話をすると、「社会に物を申している」と引かれることや、「意識高い系(笑)」と嘲笑されることもあるだろう。<こういう話をできる場がない>とした彼の意見はもっともだ。

 ただ、マリウスが特殊な環境にあるのも事実である。マリウスはSexy Zoneのメンバーとして、公に自分の意見を発信する場をもっており、かつ、強い影響力があるからだ。そしてマリウスは、自分自身にそういった場があるからこそ、自分の意見を言えない人たちのために発言し続けたいと語る。

<僕は影響力の強い大きなプラットフォームを持っていて、他の人とは状況がまた違いますよね。だからこそ、発言していかなくてはならない。自分が学んだことを、同世代や周囲の人に伝える責任がある。発言する機会を与えられないコミュニティもある。そういう人たちを代弁するのではなく、彼らが声を上げられるような場所をつくっていきたいんです>

 もちろん、そういった仕事は「アイドル」でなければできないことではない。そういう意味では、Sexy Zoneではない道を模索していたとしてもおかしくはないのだが、それでも、「文春オンライン」が報じるように<アイドルをやっている自分は本当の自分ではない>という考え方をしているとは、どうしても思えないのである。

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