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カネカ「対応は適切」と主張も強い違和感、そろそろ「男性も育児しながら仕事をする」社会を認めるべき

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株式会社カネカ公式サイトより

 元社員へのパタハラ疑惑で炎上している株式会社カネカが6日、公式ホームページ上に文章を掲載し、「当社の対応は適切であった」と主張した。

 この件は、カネカの元社員である男性の妻によるTwitterでの告発が発端。4月23日、当該Twitterアカウントは、「育休を取得した夫が復職後すぐに遠方への転勤を命じられた」ことを「信じられない」「あり得ない」と投稿。転勤は承諾するが着任日を1~2カ月後ろ倒しにしてもらえないかという要望も受け入れられず、夫は有給休暇を消化することも出来ず退職を余儀なくされたそうだ。

 これがパタハラ(※)であるとしてネット上で騒動に発展し、「育児休暇を取得した社員への嫌がらせでは」「他の社員たちへの見せしめのよう」と、カネカの企業体質に疑問が殺到していた。

※「パタニティ・ハラスメント」の略。男性社員の育児休業制度の利用に対して、上司や同僚、会社から嫌がらせを受けるという意味

 告発した元社員の一家は新居を建てて引っ越した直後であり、幼い子供たちは運良く保育園に入園、妻は東京都内の職場で正社員として復職するタイミングだったという。夫が辞令に従って一家で引っ越せば妻は仕事を辞めざるを得なくなり、単身赴任となればワンオペ育児という無茶な状況に陥るところだったようだ。

 育児休暇を取得した男性社員を冷遇する“見せしめ”の意図があったかどうかは不明だとしても、社員の家庭環境をいっさい省みない会社の人事に、「社員への無理解」「時代錯誤すぎる」と批判の声が上がっている。

 この炎上騒動について、カネカは文章で<社内監査役及び社外監査役が調査委員会からの報告を受け、事実関係の再調査を行い、当社の対応に問題は無いことを確認致しました>と主張。パタハラ疑惑については、<育休をとった社員だけを特別扱いすることはできません。したがって、結果的に転勤の内示が育休明けになることもあり、このこと自体が問題であるとは認識しておりません>とし、着任日を延ばして欲しいとの希望を受け入れなかったことは<元社員の勤務状況に照らし希望を受け入れるとけじめなく着任が遅れると判断して希望は受け入れませんでした>と説明した。

 また、着任先の上司は家庭事情を鑑みて柔軟な対応を考えていたというが、元社員がそれを知らないまま退職届けを提出したとして、<元社員は転勤に関しての種々の配慮について誤解したままとなってしまったものと思います>としている。

 しかしここでは、元社員の「有給取得を認められなかった」という訴えにはついては説明がされていない。

 また、<育休をとった社員だけを特別扱い>してほしい、などと誰も要望していない。むしろ、育児や介護をはじめ様々なプライベートの事情を抱える社員が多くいるにもかかわらず、配慮なく急な転勤を命じて憚らない企業体質に、問題はないのだろうか。労働者の家庭生活を無視した異動命令が、“アリ”でいいのか。

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