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幼保無償化を目前に相次ぐ保育士の大量退職 辞めたくなる納得の理由

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「Getty Images」より

 来たる2019年10月からの幼児教育・保育の無償化を目前に、この春、東京中央区、目黒区、横浜、仙台、札幌など、各地で保育士の大量退職が相次いだことが報道され、保護者たちの間で不安が広がっている。

 理由としては、人手不足による長時間労働・残業、休みが取れない、給与ダウン、ボーナスに関する不満などが挙げられているという。

 一見、子育て家庭が待ち望んでいたすばらしい制度のように見える幼保無償化。しかし、保育料はこれまでも「応能負担(世帯収入に応じた負担)」で、切実なニーズのある低所得世帯の保育料はすでに実質的に無償化されていた。それが一律無償化で、切実なニーズのない所得層も恩恵を受けられることになり、新たな利用希望者が増えることが予想され、待機児童の問題、保育士不足がさらに深刻化するのではと懸念されていたところだ。

待機児童数、東京北区、豊島区、世田谷区など6区では昨年より悪化

 東京新聞(2019/4/1)が実施した東京23区や政令市5市(神奈川、埼玉、千葉)、昨年待機児童が200人以上だった東京都府中、国分寺、千葉県市川市の1都3県の31市区へのアンケート結果によると、4人に1人が認可保育園を希望しても入れていない。

 各自治体は保育施設の整備を進めており、受け皿の数に関しては全体的に昨年より若干の改善がみられるものの、北区、豊島区、世田谷区など6市区では悪化している。入れない子の総数は30市区で2万9225人。東京23区では1万8701人になるという。

国の施策で新しい保育施設がどんどん作られたものの…

 国の「待機児童解消加速化プラン」では2017年度末までの5年間で約53.5万人分の保育の受け皿が拡大され、政府目標の50万人分が達成された。引き続き、「子育て安心プラン」で2020年度末までに約29.3万人分の受け皿拡大を目指している。

 このような国の施策のもと、都内に新しい保育園がどんどん作られ、東京都の認可保育所の数は平成25年度には1915だったのが、平成30年度には2811と、約1000も増えた(東京都福祉保健局のデータより)。

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